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悪の教典・Lesson of the EVIL

 投稿者:Legacy of Ashesの管理人  投稿日:2012年11月13日(火)11時43分20秒
  通報 返信・引用 編集済
  ダンテの神曲「地獄編」を読むまでもなく悪魔の本質は善である。悪魔の悪は自由意志を無知によって悪用した結果である。その動機は神と人類への妬みである」(LUCIFER中世の悪魔、p.28)].......神曲の原題が「聖なる喜劇」であるように悪魔の本質・善の本質もしょせん無知によるパロディなのでしょうか。しかし無知からの脱却を目指せばそこには悲しい真理が待っているだけだ。

厳密に言えば,アダムは何か新しいことを覚えるのではなく,自分の裸体を悟り善と悪の区別を意識するのだ。同様に歳をとってゆく人間は知らないことを何か習うのではなく,新しい次元の中で,新しい照明のもと悲しい真理を発見するのだ。

(ウラジミール・ジャン・ケレビッチ「死」)より

関連URL.......我々が突き止めようとする要因

http://www.google.co.jp/cse?cx=018248536928281187046:slakdvbmrtw&sa=%B8%A1%BA%F7&ie=EUC-JP&q=%B2%E6%A1%B9%A4%CE%C6%CD%A4%AD%BB%DF%A4%E1%A4%E8%A4%A6%A4%C8%A4%B7%A4%C6%A4%A4%A4%EB%A4%B3%A4%C8#gsc.tab=0&gsc.q=%E6%88%91%E3%80%85%E3%81%AE%E7%AA%81%E3%81%8D%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8&gsc.page=1

注:ルシファー中世の悪魔 ジェフリ・バートン ラッセル、訳野村 美紀子より

http://hon.bunshun.jp/articles/-/110

『悪の教典』上下 (貴志祐介 著)
性善説に立ったシステムに悪魔が入りこむ

聞き手「本の話」編集部

2010.07.20 00:00

──新作の『悪の教典』では、晨光(しんこう)学院という東京近郊の架空の高校が舞台となりますが、この舞台設定にされたきっかけを伺えますでしょうか。

貴志 学校には昔から注目していたんです。一種独特の閉鎖空間であり、また子どもたちをトレーニングする場ですから、普通の社会以上にモラルや常識がしっかりしてないといけないのに、むしろ世間ではなかなか通用しないようなことが罷(まか)り通ったりしている危険な場所でもある。ところが、学校を舞台にした小説は数多くあるものの、どうしても最終的にはいい話になりがちなんですね。そういうものではないものを書いてみたい、と思っていました。

それから、この小説を書くにあたって最初に思いついた場面に関係しているんですが、学校というのは、結局、根っから性善説で成り立ってるシステムだと思うんです。学級名簿を作らない時代になっても、さすがに教師は生徒の個人情報を全て知っていますから、悪用する気になれば、何でも利用することができる。さらに一旦教室に入ってしまえば閉じた空間なので、蓮実聖司(はすみせいじ)のように人を操るのが巧みな人間には、とても都合のよい場でもある。

──サイコパスと言われる人たちは、そういう才能に長(た)けていることが多いといわれますね。

管理人注:サイコパス(人格障害)の関連URL

http://6707.teacup.com/gamenotatsujinn/bbs/1084

貴志 ええ、そういう人間が教師だった場合には、子供はひとたまりもないなと。そこから発想して、こんな長い物語になっていったというわけなんです。

──最初に思い浮かんだシーンというのは、あのある女生徒を殺そうとするところですか。

貴志 その準備段階のイメージです。遺書の練習をしてみたり、個人情報を調べたりしているところですね。それからシーンとしては前に分かれていますが、生徒の情報をパソコン内に取り込んで、教室内の相関関係や、個人的で雑多な情報を管理、分析している場面が登場します。現実でも熱心な先生は日常業務として行っていることだと思うんですが、これを悪用しようとしたら、かなり怖いことになりますから。

──性善説に基づいて教室の中は非常に無防備なまま、おかれているというわけですね。

貴志 そして絶対に破綻するシステムというのは二種類あって、まず人間が絶対に間違いを犯さないという前提のシステム。もう一つは性善説に立ったシステムです。

ほとんどの人間は善良だと思いますよ。特に日本においては。でも全員が善良なんていうことは統計的にありえないわけですね。悪意の人間を想定して備えるのは、天災を防ぐのと同じなんです。どんなに性善説の人間でも、都市に住んでいたら自宅のドアに鍵はかけますよね。「私は正しい人間だから、神が雷を落とすわけがない」というのは、その人の信念でいいんですけど、それはちょっと現実には即していないかなと思いますね。



──信念、で連想しましたが、作中、惨劇のさなかで、個人的で奇妙なジンクスにすがる少年が登場しますね。

貴志 あれはもはや呪術です(笑)。どうしようもない現実に直面すると、こういうことってやってしまうんですよね。

──B級アイドルの唄を一か所も間違わずに暗唱できれば、助かるという、いかにも効かなそうなジンクスで。しかし、ひとつやふたつ誰でも覚えのあるものでもあります。

貴志 本当に人間って呪術的な生きものだと思いますね。例えば自分の力ではいかんともしがたい、野球とかワールドカップを応援してるときなんか、もう呪術だけですよ。相手が攻撃してるときと、こっちが攻撃してるときは、まあ、詳しくは言いませんけど、当然、見てるポーズが違うという。

──ポーズが違うんですか?

貴志 点の入るポーズと、入りにくいポーズがあるんです。
猫山先生は殺せなかったですね

──貴志さんご自身の高校時代はどのような感じでしたか。

貴志 われわれのころは、まだ戦前の影響がぎりぎり残っていたんじゃないかと思うんです。先生たちが教えを受けたのが戦前の教師だったことで、二次的に受けた影響ですね。かなり厳しい体罰もありました。私のいた高校は管理が厳しかったところなので、秩序は完璧に保たれていました。

──晨光学院の教師たちはくせ者ぞろいですが、モデルのある先生はいらっしゃるのでしょうか。

貴志 園田先生には、実際にいらした三人の体育教師の特徴をミックスしたという面があります。まあ、三人とも怖かったですよ。一人はほんとにプロレスラーみたいな教官で百キロ以上あって、誰も逆らえない。もうお一方は少林寺拳法の全国大会で準優勝されたという武道の達人。もう一人は剣道の先生なんですが、毎朝、巻藁(まきわら)を真剣で斬っていました。あの先生たちが三人いたら、どんなに荒れた高校でも治まると思いますね。もう鍛え方が傭兵みたいでしたから。

──園田先生の渾名(あだな)は羆殺しでしたが、その先生方に通称はあったのでしょうか。

貴志 少林寺拳法の先生には、ムササビという渾名がありました。普通、ムササビって身が軽いからなんじゃないかって思うじゃないですか。そうじゃないんですよ、両腕を掲げると、肘から肩にかけての二の腕のあたりに筋肉がムササビのようについている。そのせいで腕が短く見えるということなんですね。



──筋肉でできたムササビとは迫力ですね。作中の先生でお気に入りの人物はいますか。

貴志 好きなのは猫山先生なんです。そんなに重要な役どころでもないんですけど。ただ、これだけ蓮実に大量虐殺をさせておきながら、私には、猫山先生は殺せなかったですね。読者は、「なぜこの人を保護するんだろう?」と疑問に思うかもしれませんが……。作中で怜花(れいか)が猫山先生のことを「無害だ。無益だけど」と評するんですが、そういう人は迫害されるべきじゃない、というのが何となく私の信念としてあってですね、有害なヤツはある程度矯正か攻撃が必要かもしれないけれど、「ものすごく変なやつ。だけどべつに悪いことは何もしていない」というタイプは、むしろ生物の多様性として保護すべき対象だろうと考える性質なんです。

──蓮実が英語教師というのは経歴を活かしての設定ですか。

貴志 やっぱり留学して英語は徹底的に勉強してますし、しかもネイティブみたいな会話もできると、授業をやってもカッコいいですよね。今の子に受けるためには、サッカーの解説者みたいに、ネイティブな感じで英語を話せれば大きな武器になるかなと。けっして英語の先生が人格破綻してるとか、そういう意味じゃまったくないんですけど(笑)。

──確かに、あの授業風景を読むと、ファンになる女生徒は多そうだなと思います。

貴志 有能という点ではこれ以上ないぐらいの先生だと思うんですね。ただ残念ながら、人間としてある部分がブラックホールのようにぽっかり欠落している。

──蓮実の両親はごく良識的な人物ですね。登場場面の挿話を読むと、彼らの震えが伝わってくるようで、強いリアリティとともに梯子を外されるような怖さがあったんですが。

貴志 凶悪犯罪者の「氏(うじ)か育ちか」論争は昔から延々とありますよね。DNAですべてが決まるのか、あるいは環境で決まるのか。今は、どちらも完全な要因にはなり得ないというのが常識なんですが、そうすると、九九%の場合がありうるわけです。環境の僅かな要因、ほんのささいな挫折や刺激で容易に犯罪者になってしまう人がいると思うんですよね。

メディアの報道は「氏か育ちか」というと、育ちにしたがるわけです。人権上の問題、差別に繋がってはいけないということがありますし、また視聴者にも因果関係を見いだして安心したいという無意識の要求があるのはわかるんです。なぜこういう犯罪者が生まれてきてしまったのか――幼少期にこんなトラウマを受けている、とすれば、一応の理屈が通るけれど、成長過程の間、何不自由なく育って両親から愛情を注がれているのに、いきなり人を殺しはじめたという説明だと、社会不安を引き起こすわけですよ。でも、アメリカなんかには、そういうケースも結構ありますし、環境が圧倒的な要因であったとはどうしても思えない、明確な理由なんかないというケースは、日本にも実はかなりあると思うんです。


メッキー・メッサーは蓮実ほど悪人じゃない

──今回の作品ではかなりの死体の山を築かれました。

貴志 何人殺したかという単純な数でいくと、日本の作家で一番邪悪なのは小松左京先生だということになりますね。もう何億も何兆も殺してる。でも邪悪度というと、名前があってちゃんとイメージできる登場人物を何人殺しているかで決まってくると思います。そういう意味で『悪の教典』は、自分の小説で一番邪悪なものになってしまいました。

──粗筋でまとめると、かなり凄惨な印象になってしまうのですが、この長篇の魅力のひとつは、生徒や蓮実の日常にある一種のユーモアにあると思うんです。

貴志 基本的にギャグは好きなんですよ。ギャグを書いているときは、やっぱり楽しいですね。誰も傷つけないし、長い小説の中の一部分を書いている時、どうしても読者を退屈させてしまっているのではないか、という恐怖があるのですが、笑いを入れている部分は、少なくともそれで読んでくれるだろうと安心できるんです。

──蓮実は殺人を犯しながらもギャグを言っていましたね。

貴志 笑える部分と、笑うに笑えない部分をつくろうと思ったんですよね。笑いとホラーが近いということは多くの人が言っていることで、実際非常に近いと思うんですよ。終わり方の違いだけなんですね。桂枝雀の「緊張の緩和理論」でいうと、緊張した状態が緩和するから笑いに繋がるんであって、緊張のまま行ったら、ホラーになってしまう。だからギャグではあるし、オチはついてるけれども笑えない、という状況をつくったら、それはそれで怖いかなと。「弛緩しなさい、しなさい」って言われているんだけど、ダブルバインドで、これはもう弛緩できないよ、だって殺してるじゃんと。

──殺人場面でいえば、蓮実は愉快になると、『三文オペラ』の「モリタート」という曲を口笛で吹きますね。

貴志 『三文オペラ』の曲は、大抵の人が幼いころどこかで耳にしたことがある旋律だと思うんですね。私もそうで、とても軽快で何となくユーモラスな味わいもあって、楽しい曲だなと思っていたら、ある日歌詞を見て、「何だこれは」と驚いたんです。こんなひどいことを言っていたのか、でもそのギャップが楽しいかな、と。殺人鬼ではありますが、どこか飄々(ひょうひょう)ととぼけた感じのある蓮実に、イメージ的にもぴったり合うんじゃないかと思っています。

ただ、これを書くのと相前後して、二回『三文オペラ』を観に行きましたけれども、『三文オペラ』のメッキー・メッサーは、蓮実ほどの悪人ではないんですね。でも、なんかあの感覚というか、ピカレスクで、しかも群像劇で、ああいうとぼけた味わいには雰囲気的に影響を受けていて、そのへんはこの物語のトーンに活かせてるかもしれないなと思います。執筆中も聴いていたのですが、あまり繰り返してかけると陳腐化するので、ここぞというときに流しました(笑)。

──最後に、この一月にご子息が誕生されたとのこと、本当におめでとうございます。記念すべき誕生後最初の刊行が、この刺激的な上下巻。幼いうちは目につかないようにしないと、と以前仰しゃっていましたが、何歳ぐらいで解禁されますか。

貴志 おそらくわが家では、「お父さんの本はもうちょっと大きくなってからね」という会話が、延々繰り返されると思うんですけど、やっぱり中学生になってからでしょうねえ。小学生ではまだ読ませたくないですね(笑)。



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