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ファウスト早分かり

 投稿者:狂った詩人  投稿日:2012年 4月21日(土)21時25分17秒
  通報 返信・引用 編集済
  http://www.shinkyo.com/concerts/i178-3.html

ゲーテ(1749~1832)の悲劇『ファウスト』は、60年もかけて完成された1万2千行に及ぶ大作です。天国のゲーテさんにはおしかりを受けそうですが、あえて作ってみました、「ファウスト早わかり」で~~す!

★ 実在したファウスト
 ファウストは16世紀に南西ドイツに実在し、医師・錬金術師・占星家として知られた人文学者。生きているうちから、悪魔と手を結んで魔法に身をゆだねたという伝説ができ、本にまで書かれてヨーロッパ中で有名になった。ファウスト伝説は、しばしば文学・音楽・絵画の題材とされてきた。中でもゲーテの『ファウスト』は優れた作品といわれる。

★ ゲーテ『ファウスト』の(超おおざっぱな)あらすじ
あらすじを書くなんて無謀なんだけど・・・特に第二部は筋らしい筋もないし、ファウストがメフィストにあちこち連れ回されるものだから、読む方も迷路に入り込んだようになってしまいます。それでは、迷路にようこそ!

<第一部>
 老学者(といってもたぶん50代)ファウスト教授はあらゆる学問を極めつくしたが、結局「われわれは何も知ることができない」とわかり、失望する。自殺を企てるが、復活祭の鐘の音を聞き、感動して思いとどまる。
 メフィストフェレスが彼に近づき、奴隷として彼に仕え、「広い世界」のすべてのことを体験させようと言う。ファウストとメフィストは賭けをする。すなわち、ファウストが「瞬間」に向かって「とどまれ、おまえは美しい!」と言ったら、その時ファウストは死に、メフィストに魂をやらなければならない。こうしてファウストの人生遍歴が始まる。
 メフィストによって20代の青年に若返ったファウストは、グレートヒェンに一目惚れする。彼女は身も心もファウストに捧げるが、逢い引きするために母に飲ませた睡眠薬の分量を誤り、母を死なせてしまう。彼女の堕落(当時自由な恋は堕落なんですね)を怒った兄はファウストと決闘して殺される。ファウストの子を産んだグレートヒェンは気が狂ってその子を殺し、死刑囚として牢獄につながれる。
 当のファウストは、そんなこととは露知らず、メフィストに誘われてワルプルギスの夜に酔いしれる。しかし、そこで彼は、苦しむグレートヒェンの幻を見る。そして、メフィストの力を借りて彼女を牢獄から助け出そうとする。彼女は悪魔と手を結んだ彼の助けを拒み、牢獄にとどまりそして死ぬ。「女は裁かれた」というメフィストの叫びに対して、「救われた」という声が天上からひびいてくる。ファウストはメフィストにどこかへ連れ去られる。

<第二部>
 アルプス山中で眠り続け、生気を養ったファウストは、今度は行為の人として「大きな世界」での遍歴に入る。
 神聖ローマ皇帝の城。帝国の財政が破綻しかけているので緊急会議が開かれている。メフィストが新しい金融システムを吹き込み、破綻しかけていた財政問題は解決する。
 ファウストは神聖ローマ皇帝の命で闇の世界に下り、美の象徴ヘレナをよみがえらせ結婚するが、美は消滅してしまう。魔法の力で皇帝を助けて戦争に勝ち、報酬として海岸沿いの土地を得る。そして、この土地の干拓事業に乗り出す。事業はほぼ成功したかに見えるが、老夫婦を立ち退かせるのに失敗して、殺してしまう。ファウストは、「憂い」の霊に吹きかけられた息で視力を失う。建築工事のつるはしの音に聞こえるのは実は彼の墓を掘る音であるが、彼は仲間のために働くという最高の幸福を予感して、「時よとどまれ、おまえは美しい」と言う。たちまちメフィストとの賭けに破れ、彼は死ぬ。だがメフィストの手を逃れ、かつてグレートヒェンと呼ばれた少女の霊の取りなしによって、天高く上ってゆく。

★ 「ファウスト的人間」ってどんな人?
 key wordは内面的・努力・孤独・学問追求・真理探究・行動・・・。
 ファウストは決してひとつのところにとどまっていることはできない。現状に満足せず、常に現状を変えようと行動し、努力し続ける。こうした「ファウスト的人間」はヨーロッパ的人間の原型といわれる。自我が世界の中心。世界や自然は自己と対立するものであり、それを理性の力で解明し、認識しようとする。(これに対し、東洋的ものの見方では、自我は世界の一部、世界や自然に融合する。)

★ 愛による「救済」
 第二部の終わりでファウストは、かつてのグレートヒェンの取りなしによって、天上に迎えられる。
 しかし、ファウストは敬虔な、神の意にかなう生涯を送ったから救われたのではない。また、自分の中の誘惑と闘いそれにうち勝ったわけでもない。
 ファウストは愛・恩寵によって救われるのである、
 第二部は「永遠にして女性的なるものがわれらを引き上げてくれる」という句で幕を閉じる。男性的行動の象徴みたいなファウストが女性的なものによって救われる……意味深なことですね。

<おすすめの訳本>
 ゲーテ「ファウスト」(第1部・第2部) 池内紀訳(集英社)……散文訳で読みやすいです

<参考文献>
 ゲーテさんこんばんは  池内紀(集英社)……ゲーテさんについてちょっと知りたいな、という方におすすめ
                       実在のファウスト博士とその時代についても述べられています
 ファウスト  小塩節(講談社学術文庫)……「ファウスト」についてもっと詳しく知りたい方に
 愛の詩人ゲーテ  小塩節(NHK出版-NHK人間大学1998テキスト)
 ファウストと嬰児殺し  大澤武男(新潮選書)……「ファウスト」における重要人物グレートヒェンの背景がわかります
 赤ん坊殺しのドイツ文学   横田忍(三修社)
 ドイツ文学案内(朝日出版社)
 ドイツ文学案内  手塚富雄(岩波文庫)

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