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メデューサとメフィストフェレス

 投稿者:狂った詩人  投稿日:2012年 4月21日(土)21時34分48秒
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  http://www5.cncm.ne.jp/~ryuji-t/kenkyu/medusa.htm

前700年頃ヘシオドス『神統記』ケトとポリュキスの子(廣川洋一訳/岩波文庫)
 ここに棲む者たち、ステンノ、エウリュアレ、のちに悲惨な目にあうメドゥサを生みたもうた。彼女は死すべき身の者であったが、他の二人は不死であった。ふたりとも。この一方と黒髪の主(ポセイドン)が共寝をなさった。柔らかい牧草と春の花の間で。
 『神統記』では主に出生の系譜が書かれている。ケトとポルキュスの間に、ペンフレド、エニュオ(この2人をグライアと呼ぶ)、ステンノ、エウリュアレ、そしてメドゥサ(この3人をゴルゴと呼ぶ)の5人の姉妹が生まれた。メドゥサがペルセウスに首をはねられると、そこからクリュサオルとペガサスが生まれたという。

8年頃オウィディウス『変身物語』icon第4巻(中村善也訳/岩波文庫)
 メドゥーサは、もとはすばらしい美女だったのです。たくさんの求婚者たちにとって、羨望をまじえたあこがれのまとでもありました。わたしは、その頃の彼女を見たという人に会ったことがあります。その彼女を、海神ネプトォーヌスが、ミネルウァの神殿で辱めたのです。ミネルウァ女神は、顔をそむけ、純潔な頬を神盾で隠しました。そして、この罪を罰するために、メドゥーサの髪を醜い蛇に変えられたのです。
 これはメドゥーサを殺したペルセウスが語ったセリフとして書かれている。『変身物語』というタイトルにあわせてか、メドゥーサの髪が蛇になった理由が説明されている。ネプトォーヌス(ポセイドン)とミネルウァ(アテナ)の神殿で抱き合ったため、女神の怒りを買ったのらしい。

1世紀頃アポロドーロス『ギリシャ神話』icon第2巻(高津春繁訳/岩波文庫)
 またヘルメースから黄金の鎌を得て、空から飛んでオーケアノスに来り、ゴルゴーンたちが眠っているところを見つけた。ゴルゴーンたちはステノー、エウリュアレー、メドゥーサである。メドゥーサのみが不死ではなかった。それゆえにペルセウスはこの女の頭を取りにやられたのである。ゴルゴーンたちは竜の鱗でとり巻かれた頭を持ち、歯は猪のごとく大きく、手は青銅、翼は黄金で、その翼で彼女らは飛んだ。そして彼女らを見た者を石に変じた。
 『変身物語』ではメドゥーサだけが怪物だったのが、アポロドーロスの説明では、ゴルゴーン3姉妹全員が怪物となった。

2世紀頃パウサニアス『ギリシャ案内記』第2巻21章(馬場恵二訳/岩波文庫)
 アルゴスの広場中央の建造物からそう遠くないところに土盛りがあって、その中にはゴルゴなるメデゥサの首が埋まっていると伝わっている。だが神話の霧を払えば、彼女について語られていることはつまりはこうなのだ。彼女はフォルコスの娘であって、父親が死ぬとトリトニス湖周辺に住む者たちの女王となって、狩猟にも出れば、リビュア人を率いて合戦の指揮も執った。だが、ペロポネソス選り抜きの精鋭部隊が従軍していたペルセウスの軍勢と対峙していたとき、夜陰にまぎれて暗殺されてしまった。ペルセウスは遺体になお残る彼女の美貌に感嘆のあまり、彼女の首を切り取って、ギリシア人に見せるために持ち帰ったという次第なのだ。
 なんと、メデゥサは実在した女王で、ペルセウスは侵攻してきた軍隊だという説がここでは述べられている。かわぐちかいじの『Medusa』iconは、これをベースにしていたのかもしれない。

1307年ダンテ『神曲』icon地獄編第9歌(寿岳文章訳/集英社文庫)
 「メドゥーサに来させて、彼奴を石に変えよう。」かれらは下方を見て口々に叫ぶ。「テゼオが攻めの復讐をし損じた轍を踏むな。」「うしろを向き、眼を閉じよ。ゴルゴンあらわれ、その姿を君が見たらば最後、上界へ帰る手だては絶対に無い。」こう師は言い、手ずから私をくるりとうしろ向かせ、私の手を心もとながり、みずからの手で私の顔を掩った。
 冒頭のセリフでメドゥーサを連れてこようとしているのは、復讐の三女神フリエたちである。師は当然、詩人ウェルギリウス。フリエたちはメドゥーサをけしかけ、ダンテの地獄旅行を邪魔するが、ウェルギリウスと天の使いによって助けられる。

1667年ミルトン『失楽園』icon第2巻(平井正穂訳/岩波文庫)
 だが、「運命」がそれを許さなかった。ゴルゴン特有の凄まじい形相をしたメドゥーサが、渡し場に陣取って彼らが水を飲むのを妨害したばかりでなく、水そのものが生ける者に飲まれるのを嫌って、かつてタンタロスの唇から逃げたのと同じように、彼らから逃げていった。
 『神曲』で地獄に呼ばれたまま、そのままいついたのか、『失楽園』の地獄の描写の中にメドゥーサが登場している。地獄に堕ちた天使たちは、地獄を流れる河のひとつ、レーテ河の渡し場でメドゥーサと出会う。

1831年ゲーテ『ファウスト』icon第一部ワルプルギスの夜(相良守峯訳/岩波文庫)
 あんなもの、ほって置きなさい。あれはいいもんじゃないです。あれは魔法の影絵です、生きちゃいない、まぼろしです。あれに出くわすと、ためになりません。あれの眼でじっと見られると、人間の血が凝り固まって、ほとんど石に化せられてしまうのです――それメドゥーサの話をご存じでしょう。
 これはメフィストフェレスのセリフで、魅力的な乙女に魅了されてしまった男(ファウスト)の状態を表したもの。女は魔物か。ただし、この頃、当のグレートヘンには大変なことが起こっている。

1587年『実伝ヨーハン・ファウスト博士』(松浦純訳『ドイツ民衆本の世界3 ファウスト博士』icon国書刊行会)
 この証文により、我とわが手をもちて公に認め、証せん。すなわち我、四大の考究に志すも、わが脳中に上より与えられ、かたじけなくも賜りし才にはその力を認めず、人より学ぶべくもさらになきを知りし故、東の地獄の王の僕にしてこの地に遣わされしメフォストフィレスなる霊に服し、この者を選びて教えを受けんとするものである。
 ファウストの物語はゲーテの専売特許では無く、何人かの作家たちが描いているが、これはその最古のものとされる。出版したのはドイツのヨーハン・シュピーズで、当時大ヒットしたらしい。ジョルダーノ・ベルティの『天国と地獄の百科』iconには、この本で初めてメフィストの名が現れた(ここではメフォストになってるが)としているので、結局はファウスト伝説の中でのみ活躍する悪魔のようだ。松浦純による巻末の解説によると、実在したファウストの記録の中には悪魔の名前は無く、ファウストは「義兄弟」と呼んでいたのだという。なお、「東の地獄の王」というのはルシフェルのことだ。

1593年クリストファー・マーロー『フォースタス博士』第五場(『エリザベス朝演劇集Ⅰ』小田島雄志訳/白水社)
 なに、大メフィストフィリスともあろうものが、天国の喜びを奪われて悲嘆にくれているというのか? このフォースタスから男らしい不屈の精神を学び、二度と味わえぬ天国の喜びなど、笑い飛ばすがいい。
 シェイクスピアと同時代の劇作家マーロウ(1564~1594)がファウスト伝説を舞台化した。マーロウ版のメフィストは、ルシファーと共に神に反逆し、地獄に堕ち、ルシファーに仕える悪魔になっている。

1602年シェイクスピア『ウィンザーの陽気な女房たち』icon(小田島雄志訳/白水Uブックス)
 どうしたと、このメフィストフェレスめ!
 そのシェイクスピアの喜劇のセリフから。たんに相手を罵ったセリフであって、メフィスト自体が出てくるわけでないが、やはりシェイクスピアもメフィスト及びファウスト伝説を知っていたことが、この喜劇からわかる(「まるで三匹のドイツの悪魔というか、三人のファウスト博士」というセリフもある)。

1812年コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』iconメフィストフェレスの項(床鍋剛彦訳/講談社)
 ファウストの魔神。冷淡な意地悪さ、涙を嘲笑う辛辣な笑い、人の苦痛を見るときの冷酷な喜びが特徴である。からかいによって美徳を非難し、才能ある人に侮辱を浴びせ、中傷という錆で栄光の輝きを腐食させる。
 かなり悪魔らしい事が書かれている。身近にいたら嫌だな。まだゲーテの『ファウスト』iconが発表される前なので、マーロウのメフィスト像に近い。

1831年ゲーテ『ファウスト』icon第一部書斎(相良守峯訳/岩波文庫)
 メフィスト-フェレス「私は常に否定するところの霊なんです。それも当然のことです。なぜといって、一切の生じ来るものは、滅びるだけの値打ちのものなんです。それくらいならいっそ生じてこない方がよいわけです。そこであなた方が罪だとか破壊だとか、要するに悪と呼んでおられるもの、すべて私の本来の領分なんです」
 マーロウから200年以上たって、ようやくゲーテの登場である。ゲーテのファウストとメフィストについては、説明不要だろう。活字嫌いな方は、手塚治虫の『ファウスト』iconを読め。

1846年カール・ジムロック『人形芝居ファウスト』(松浦純訳『ドイツ民衆本の世界3 ファウスト博士』icon国書刊行会)
 なら聞け、メフィストフェレス。たしかにおまえは、言いつけたとおりに人間の姿であらわれた。だがな、マントの下に赤い服というのは趣味も悪いし、馬脚をあらわすってものだ。おまけに額の長い角ときちゃあな。
 ファウスト物語は人形劇として演じられても人気だったようだ。伝説が本となり、舞台劇や人形劇になるというのは、今で言うところのメディアミックス的な展開だなあと思ってしまった。『ドイツ民衆本の世界3 ファウスト博士』iconに収録されたものは1846年に編集されたものだが、人形劇の台本としては、1746年ハンブルクのものが最古らしい。この物語にはメフィストの他にも、フィリッププッツリ、ポリュモール、アスモーデウス、アシタロテ、アウアーハーン、ハリバックス、メゲーラといった悪魔が登場する。また、他とは違ってプルートの下僕とされている。 (ルシファー研究室より)
 
 
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