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ナルト叙事詩

 投稿者:Legacy of Ashesの管理人  投稿日:2013年10月 3日(木)14時35分33秒
  通報 返信・引用 編集済
  http://suwa3.web.fc2.com/enkan/minwa/sonota/06.html

管理人注:ナルト叙事詩には三本足の馬が出てくる。これはJFAの三本足のカラスの原型のようだ。

Wikiには『ワステュルジ(Uastyrdji)は、ナルト叙事詩に登場する精霊。乱暴者で、3本足の馬に乗り、獰猛な犬を従えて、空を駆け回る。海神ドン・ベッテュルの娘ゼラセに懸想していたが、全く相手にされなかったことをいつまでも根に持っていて、ゼラセの死後、墓に侵入し、不思議な鞭で打ってゼラセの死体を美しく再生させ、これと交わり、さらに自分の馬、あるいは犬にも犯させた。この結果、娘サタナ、名馬ドゥルドゥル、犬シラムが生まれたとされる。この役割は別の版では、アナトリアの聖人である聖ジョージとなっている。』

シャーマンと蛇信仰 その1より

http://blogs.yahoo.co.jp/alternative_politik/29995417.html

『北欧神話に登場するオーディンの場合、知恵と魔術を得るためにユグドラシルの根元にあるミーミルの泉の水を飲み、その代償として片目を失ったとされるが、彼も一人の有力なシャーマンが伝説化したものであるに違いない。まぁ、ギリシア神話の鍛冶神ヘーパイストスも・・・黒海北岸におけるスキタイ人共同体におけるシャーマンが、ギリシア化した姿にすぎないに違いない。

ところで、スキタイ人と言えば・・・以前のブログ記事でカフカース(コーカサス)山脈の麓に住んでいた民族オセット人の風習に、古代スキタイ人の伝統の名残が見られるという話をした。オセット人の占術師はシャーマンである。

このオセット人なのだが、「ナルト叙事詩」という神話をもっている。その神話に登場するクルダレゴンという天上の鍛冶神が登場し、ナルトの英雄バトラズの鋼鉄の身体に焼きを入れて、より強い身体に変えた話がある。

また、その一方で「単眼」や「跛行」が「冥界」と何らかの関係をもつという意味では、『ナルト叙事詩』には3本足の馬が登場する。精霊ワステュルジが騎乗する馬であり、彼は強力な魔力を持つ犬を従えて、空を駆け回る。』

三本足の八咫ガラス

http://angel.ap.teacup.com/gamenotatsujin/509.html

三本足のカラスの正体は?

http://6707.teacup.com/gamenotatsujinn/bbs/index/detail/comm_id/1672

JFAシンボルマークと八咫ガラスの関係

http://6707.teacup.com/gamenotatsujinn/bbs/979

なぜ八咫ガラスを頭に置くのか?

http://intec-j.seesaa.net/article/18894973.html

八咫烏は陰陽道と関係がある?

http://intec-j.seesaa.net/article/18937412.html

やっぱ漢波羅の本拠地は下鴨神社

http://intec-j.seesaa.net/article/18982695.html

鳥居は鳥がいるということ?

http://intec-j.seesaa.net/article/19025598.html

ナルト叙事詩とは

http://kotobank.jp/word/%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%88%E5%8F%99%E4%BA%8B%E8%A9%A9

ナルト叙事詩:ゼラゼと双子の兄弟  コーカサス オセット族

※オセット族は古代にユーラシアの草原で活躍したイラン系の騎馬民族で、現在は北コーカサス地方の中央部に居住する。彼らがナルトという半神的英雄の叙事詩を口承で伝えたものが、『ナルト叙事詩』である。以下はその一部、ナルトたちの中でも最も有力なエクセルエッカテ家の起源を物語る部分の要約である。

 ナルトの果樹園に一本のリンゴの木があり、その黄金の実には全ての傷と病を癒す効能がある。一日に一個だけしか実らず、昼に結実して夕方に食べ頃になるのだが、夜の間に必ず盗まれてしまうのだった。ナルトたちは果樹園の周囲に高い柵を巡らせて毎晩交代で不寝番を行ったが、常にいつの間にか眠ってしまい、盗難を防ぐことはおろか、犯人の姿を見ることさえできなかった。

 やがてウォルヘグの双子の息子、エクサル(エフサ)とエクセルテグ(エフセルテグ)の番になった。この兄弟は共に天下無双の剛勇の持ち主で、ことに弓に関しては、飛ぶ鳥を落とすほどの名手であった。しかしながら、弟のエクセルテグの方が兄よりも一段勝っていた。

 果樹園につくとエクセルテグは兄を寝かせ、一人で不寝番をはじめた。夜明け間近に、不思議に光り輝く三羽の鳩が飛来してきてリンゴを食べようとした。エクセルテグがすかさず矢を放つと一羽に当たったが、血を滴らせながらも三羽共に飛び去った。

 エクセルテグは兄を起こして一部始終を話し、飛び散った鳩の血を集めて大事に包み、帯に挟んだ。

 夜が明けると兄弟は血の跡を辿っていったが、それは海に消えていた。エクセルテグは一人で海の底まで追うことにし、兄には「海面が赤い泡で覆われたら諦めてくれ、しかし白い泡で覆われたらきっと生きて戻るから一年間ここで待っていてくれ」と言い残した。

 エクセルテグが海底に降り立ってみると、そこには螺鈿の壁・青ガラスの床・天井には明けの明星が輝く眩い館があった。それは海王ドンベッテュルと、その眷属のドンベッテュルテたちの住居であった。

 中に入ってみると広間があり、ドンベッテュルの七人の息子たちが座り、その上座に彼らの姉妹の、輝くばかりに美しい二人の娘が座っていた。挨拶をしてから「どうしてそんなに悲しげなのか」と尋ねたところ、七人の息子たちはこう説明した。彼らの三人の姉妹が夜毎にナルトの果樹園を荒らしに行っていたこと。けれど昨夜、姉妹の一人・ゼラゼがナルトのエクサルとエクセルテグの矢に傷つけられ、今まさに瀕死であること。彼らはこう語り、「あの兄弟が互いの剣で殺し合えばいい」と呪うのであった。

 エクセルテグが治療の手立てはないのか、また首尾よく治療した者にはどんな報酬が与えられるのかと尋ねると、ゼラゼの傷から流れ出た血を吹きかけてやるしか手はないが、もし傷を癒せた者がいれば彼女を妻として与えようと約束した。そこでエクセルテグは自分こそが彼女を傷つけた当人だと打ち明け、彼女の血を携えて来ているので治療をしようと申し出た。

 病室に案内されてみれば、ゼラゼは姉妹たちよりもいっそう美しい、絶世の美少女であった。エクセルテグは喜んで、持ってきた血を彼女の肌に吹きかけた。たちまち傷は跡形もなく消え去り、ゼラゼはベッドから跳ね起きた。

 こうしてエクセルテグはゼラゼと結婚し、海底の宮殿で夢のように幸せな日々を過ごした。だがある日突然に、海岸に待たせてある兄のことを思い出した。たちまち郷愁に囚われて、すぐに陸に上がって兄を探し、一緒に父の家に帰らなければならないと妻に言うと、彼女は自分も一緒にここを出ると言い、頭から抜いた一本の金髪で自分と夫を二匹の大魚に変身させ、夫婦は揃って地上に帰った。

 海辺には見知らぬ小屋が建っていた。ゼラゼはこの小屋が気に入って中に座り、しばらくここから動きたくないと言ったので、エクセルテグは兄を探しに森に向かった。ところでその小屋は、弟を待つためにエクサルが建てたものだったのだ。エクセルテグと入れ違いに森での狩りからエクサルが戻ると、二滴の水滴のように夫と生き写しの彼を見て、ゼラゼはてっきり夫が戻ったものと思い込んで近寄った。エクサルは見知らぬ美女の馴れ馴れしい態度を見て、すぐに弟が海底から連れ帰った妻だと察し、黙って彼女から離れた。ゼラゼはこれを見て、夫が水界から来た異種族の自分を嫌っているのかと思って憤慨した。やがて夜になったがエクセルテグはまだ戻らない。エクサルは自分の外套を脱いで床に敷き、その上にゼラゼを寝かせて、その上にエクセルテグが残して行った外套を掛けてやった。この優しいふるまいによってゼラゼの心は幾分なごみかけたが、その後でエクサルが二人の間に抜き身の剣を置いたので再び怒り、起き上がって部屋の片隅に行くと、悲憤した様子でうずくまった。

 その時、エクセルテグが小屋に入ってきた。彼は、小屋の中に兄がおり、ゼラゼが悲しみに顔を曇らせてしどけない様子でうずくまっているのを見ると、妻が兄から凌辱されたのだと早合点した。やにわに腰の短剣を抜くと、すぐに兄を刺し殺してしまったのである。

 だがその後でゼラゼから事情を説明されたエクセルテグは、妻に対して一点の非の打ちどころもない振る舞いをした兄を、自分が短慮にも殺してしまったことを知った。彼は絶望し、剣の柄を兄の死体の胸に当ててその上に倒れ伏し、自ら心臓を貫いて、兄と折り重なったまま絶命した。こうして、エクサルとエクセルテグが互いに刺し違えて死ぬようにというドンベッテュルの息子たちの呪詛は実現されたのだった。

 ゼラゼは二人の亡骸の前で一晩泣き明かした。夜が明け始め、女の細腕でどうやって墓穴を掘り、どうやって二人をそこに葬ろうかと悩んでいると、唐突に、ワステュルジという乱暴者の精霊が現れた。彼はいつも三本足の悍馬[かんば]に乗り、猛々しい猟犬を従えて天空を駆け回っているのである。彼はかねてからゼラゼに想いをかけており、欲望を叶える絶好の機会と見て舞い降りてきたのだ。

 ワステュルジは、もし自分と結婚するなら、自分が双子の兄弟を埋葬してやろうと持ちかけた。ゼラゼが承知すると、鞭で地面を叩いた。たちまち地に墓穴が開き、遺体が独りでに中に収まる。次の瞬間にはもう立派な墓石が建ち、周囲には壮麗な白壁が張り巡らされていた。

 埋葬が済んでしまうと、ワステュルジは約束を履行するようにゼラゼに迫ってきた。ゼラゼは汚れた体を洗い清めてくると言って海に入り、そのまま父の海底宮殿に帰ってしまった。期待に胸躍らせながら待っていたワステュルジは、長いこと待ってようやく騙されたことに気付くと、呪詛の言葉を吐きながら馬に乗って立ち去った。

 ゼラゼは既にエクセルテグの子を宿していた。母親に「英雄ナルトの子はナルトの村で産むものです」と言われて再び地上に現われ、エクセルテグの家の馬小屋でウリュズメグとヘミュツの双子の男児を産んだ。この子供たちも弓の名手の英雄になった。

 その後、ゼラゼは地上に留まって暮らしていたが、やがて病を得て死期を悟った。死ぬ前に息子たちを枕元に呼び寄せると、こう言い遺した。

「私が死んだら、どうか三晩の間は私の墓をよく見張っていておくれ。私には恐ろしい債権者があり、きっと墓の中まで取り立てにやってくるでしょうから」

 母親が死んで埋葬が済むと、最初の二晩はウリュズメグが番をして何事もなかった。ところが三晩目に、ヘミュツが見張りをしたいと言い出して、ウリュズメグが止めるのも聞かずに墓に行った。ワステュルジはこの機会を待っていたのだった。ヘミュツが墓の前に立っていると、遠くから楽しそうに歌い騒ぐ酒宴の物音が聞こえてきた。また別の方向からは婚礼の祝いの音が聞こえた。

「死に際の人間が遺した戯言に従うなんてまっぴらだ。誰が今更、死んだ母を墓から引き出しに来るものか」

 ヘミュツはそう呟くと、自分も歓楽の仲間入りをするためにその場から立ち去ってしまった。

 ヘミュツが墓から離れると、もう墓室の中が明るくなり、ワステュルジが入り込んでいた。彼がゼラゼの遺体を馬鞭で打つと、彼女は死んだままであったが、まるで生きているかのように生気に満ちて、生前の七倍もの美しさで輝いた。ワステュルジは墓の中でゼラゼの死体を存分に犯し、自分の馬にも交わらせてから立ち去った。

 この二重の死姦によってゼラゼの遺体は妊娠し、一年後、墓の中で一人の女児と一頭の仔馬を産んだ。ウリュズメグが発見して養育したこれらが、絶世の美女サタナと神馬ドゥルドゥルである。

参考文献
『日本神話の源流』 吉田敦彦著 講談社現代新書 1976.
『世界神話事典』 大林太良/伊藤清司/吉田敦彦/松村一男編 角川書店 1994.

※死の眠りについたまま犯されて子を産むゼラゼの状況は、「太陽と月とターリア」や「命の水」等の【眠り姫】話群を思い出させる。ただ、ゼラゼは子を産んでも蘇ることがない。

 サタナは成長すると異父兄で養父であるウリュズメグを強引に説得して近親婚の禁を犯し、彼の妻になった。二人の間にはソスランという男子が産まれる。彼はギリシアのディオニュソス神がそうしたように、冥界に下って亡き母を連れ戻すことに成功した。

 なお、ギリシア神話には馬に変身して群れの中に隠れた地母神デメテルを、やはり馬に変身した海神ポセイドンが追い詰めて犯し、この交わりから冥界女王べルセポネと神馬アリオンが産まれたというものがあり、類似が指摘されている。

 ゼラゼが「英雄ナルトの子はナルトの村で産むもの」と母に言われて地上にやってくるのは、日本神話でトヨタマヒメが「天つ神の子は海原で産むものではない」と言って地上に出産にやってくる描写と同じである。

 ゼラゼと交わるワステュルジが、三本足の馬で天空を飛んでくるのは興味深い。英雄の乗る神馬(妖精馬)は、しばしば三本足やびっこ引きなど、不具の馬として語られるからだ。説話では足が不自由=死者と表されていることが多く、一本の足だけが不自由であったり欠けていたりするのは、半分だけ冥界に属する者~冥界と現界を行き来できる者、即ちシャーマンを暗示しているものと思われる。

 なお、ワステュルジが馬に乗り猟犬を連れ天を駆け巡る様は、北欧の主神オーディンの死の騎行をも思わせる。死者を引き連れ天空を騎行するオーディンは、ここでは冥界の神である。

参考 --> 「楽園の林檎」「海幸・山幸」

Wikiにはこうある....

ナルト叙事詩

「ナルト叙事詩」(ナルトじょじし、アディゲ語:Нартхымэ акъыбарыхэ, カラチャイ・バルカル語:Нарт таурухла, オセット語: Нарты кадджытæ, ラテン文字転写: Narty kaddžytæ、英語: Nart saga)は、カフカス山脈起源の物語群である。この地域の民族の神話基盤を形成しており、あるものは単純な物語だが、創造神話や古代神学に匹敵する価値を有するものもある。

アブハズ人、チェルケス人、オセット人、ウビフ人それぞれにナルト叙事詩のヴァージョンがある。

登場人物であるナルトたち自身は巨人の種族である。叙事詩の中で目立った役割を果たしている者たちは

ソスリコ (Sosruko)。ウビフ語とアブハズ語では[saws?r?q?a]、オセット語ではソスラン (Soslan)、ロシア語ではサスルィクヴァ (Sasrykva)。トリックスター。
サタナヤ。ウビフ語では[satanaja]、アディゲ語は[setenej]、オセット語ではサタナ (Satana)。ナルトたちの母親。豊穣の形象、母神。
トレプシュ (Tlepsh)。アバザ語では[?ap??]。鍛冶屋。
シュルドン (Syrdon)。ジョルジュ・デュメジルによって北欧神話のロキと比較された存在。
バオウチ (Baoutch)。アディゲ語では[b?wk??]。

ナルト叙事詩におけるモチーフのいくつかはギリシア神話にも共通している。特にカズベク山に鎖でつながれているプロメテウスの物語はナルト叙事詩に同じ要素がある。こうした共通モチーフは、初期にコーカサスの人々と古代ギリシア人の間に交流があったことを意味するのではないかとも言われている[誰によって?]。また、ギリシア神話の金羊毛の物語におけるコルキスは、一般的に現代でいうグルジアかアブハジアの一部であったと考えられている。

加えて、文献学者のジョルジュ・デュメジルは、彼の「三機能仮説」、つまり原インド・ヨーロッパ人は戦士、祭司、平民の三階層を形成していたという説を支持するためにナルトたちを3つの部族に分割した(この議論における暗黙の前提は、ナルト叙事詩がオセット人に由来するという仮定である。なぜなら他の民族は非インド・ヨーロッパ語族だからである)。

C・スコット・リトルトンとリンダ・A・マルカーは『アーサー王伝説の起源』(原題 From Scythia to Camelot)のなかで、多くの点でアーサー王伝説はナルト叙事詩に由来すると推測した。提唱された伝播の経路は、アーサー王伝説が形成された時代に北フランスに移住した、オセット人の祖先にあたるアラン人である。
主要な登場人物について

クルダレゴン

神で、天上の鍛冶師。ナルトの英雄バトラズの鋼鉄の身体に焼きを入れて、より強い身体に変えた。

サタナ

女性。海神ドン・ベテュルの娘ゼラセと精霊ワステュルジの娘。ウリュズメグ、ヘミュツとは父違いの妹で、自分を育てたウリュズメグと結婚した。英雄ソスランの育ての親。チェルキス語のナルト叙事詩では、英雄バトラズの愛人でもある。知恵と魔法に優れ、しばしば一族の危機を救う。

http://55096962.at.webry.info/200906/article_25.html

聖杯伝説を巡る考察: スキタイ人と杯の考察がおかしい。

<< 作成日時 : 2009/06/22 23:14 >>

本編のみならず、あとがき・解説部分も全体的に違和感バリバリなんだぜ。たとえ有名な人でもおかしいと思ったら全力でツッコミ入れるぜ!

ここで取り上げるのは、「解説」として載っている P452-454。 ヘロドトスの書いた、スキタイ人についての伝承についての言及なのだが、本編と同じく意図的に資料解釈をゆがめているように思える。「解説」を書いているのは 吉田敦彦氏。 この人の本は読んだ事があるし、ちゃんとした学者さんのはずなんだが…

導入は、こうなっている。

ところでナルト叙事詩には他方で、本書の著者たちによって詳しく分析されている通りに、中世ヨーロッパのアーサー王伝説との間に、偶然の所為とはとうてい思えぬような著しい類似が数多く見出される。中でもとりわけ注目に値すると思われる類似は、ナルタモンガと、アーサー王伝説のまさに中心に位置する「聖杯グラール」との間に見られるものだ。

サン・グラールで「聖・杯」なんだから、「聖杯グラール」という書き方も適切じゃないよなぁ…。
という細かい話はともかく、ナルト叙事詩の中の杯が聖杯に似てるんじゃないのか? という部分である。ヘロドトスもスキタイ人の杯について書いていて、昔から杯は重要視されていたんだ、という流れ。

ところでこのように、だれが有資格者であるかの裁定を奇跡によって下す杯のことはじつは、古代スキタイ人の神話の中でも、きわめて重要な意味を持つ聖宝の一つとして物語られていた。

…該当する神話を読んだ覚えがあったんだ。だけど、杯が資格の決定をしている話ではなかったんだ。それで、ここを読んだ時「いやそれ違うだろ」というツッコミ心が疼いてですね。いやまあそんな前置きはどうでもいいか。

ここで、敢えて「アーサー王伝説の起源 スキタイからキャメロットへ」からの引用をせず、ヘロドトスの「歴史」本体を開く。使うのは新潮社の青木巌訳、ハードカバー本である。スキタイについての伝承が論じられる第四巻は、ペルシア王カンビュセスによるスキタイ遠征について書かれている。問題の部分は第5節以降だ。

スキタイ人は自民族があらゆる民族のうち最年少であると称しているが、それはどうして興ったかというと、無人の境であったその地に初めて生をうけた人はその名をタルギダオスという人であって、このダルキダオスの両親は、私としては彼等の伝説を信じないが、とにかく彼等の話では、ゼゥスとボリュステネス川の娘であるという。タルギタオスの出生はとにかくそういうような事になっているが、彼からリポクサイス、アルポクサイスおよび最年少のコラクサイスという三人の子供が生まれたそうである。彼等の治世に、天から黄金のすき、くびき、おのおよび椀がスキタイへ落下してきたのであって、長子が最初にこれを見て手にとろうと欲して近寄ったが、彼が近づくや黄金が燃え出したということである。そして、彼が立ち去って次子が歩み寄ったところ、またもやそれは同じ事を繰り返した。かくて、黄金は火を発して彼等を退けたわけであるが、三番目の末子が近づいたところそれは消え、そして、彼はそれらを自分の住居に運び、年長の兄たちもそれがために納得して、全王国を末弟に引き渡したという事である。

ヘロドトス「歴史」 青木巌訳/第四巻5節

…吉田氏の解説で、合っているのは「天から下った杯が、王たる資格のある者を選別した」といわれている。
しかし、天から降りてきた黄金の品は、杯だけではない。「すきとくびき」(農民の道具=農耕への加護?)」「おの(武器=戦いの加護?)」「杯(王の道具=王権の加護?)」の3つであって、その中で杯だけが特別だとか、杯にだけ意味がある、といったことは一切書かれていない。杯だけが王位継承の儀式で使われた… という吉田氏の主張は、それが王権を象徴するものだとすればさもありなん、ということになるのではないだろうか。

(*2009/6/28 すき と くびき を別々にカウントして4つにしていたのを、すき&くびき で1つと見做すよう修正)

ヘロドトスの、この記述部分だけをもって、スキタイ人にとって杯が「すき」や「くびき」よりも、「おの」よりも重要だったと主張するのは、かなり無理がある。

しかも、この伝説、続きがある。

もともとヘロドトスが挙げているスキタイの王位継承に関する伝説は3パターン。
そのうちの最初の1つが、さっきの、黄金の4つの祭器が天から降りてきたというものである。

もう2つは、こんな話になっている。

●ヘラクレスが居なくなった馬を探していると、馬を保護していたエキドナ(上半身が女性、下半身が蛇の生き物)と出会う。ヘラクレスはへび女に同衾を望まれ夜を共にし、へび女は三つ子を宿す。へび女が生まれた子の処遇を訊ねると、ヘラクレスは自分の持っていた弓、帯、杯をへび女に渡し、弓にうまく弦を張り、杯を提げた帯をうまく腰に巻く子以外は追い出してしまえと言う。この試練に合格したのは末子だけだった。末子は母であるへび女の国に留まり、それがスキタイ人になった。

注:上半身が女性、下半身が蛇の生き物

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%BC

(*2009/6/28 ヒュドラ→エキドナに修正 ヒュライアは地名でした)

●スキタイ人がいま居る土地は元はキンメリア人の地だった。キンメリア人は勝てないと思い逃げ出そうとしたが、キンメリアの王族たちは戦いたいと望む。キンメリアの王族たちは自国民と戦い、みな死んでしまった。人々は王たちをその地に埋めて去り、スキタイは誰もいなくなった土地を戦わずして手に入れた。
ヘロドトスは、この説が正しいだろうと述べている。

へび女が母なのがスキタイの蛇に似せた吹流しに関係してると言われても、ちょっとそれはコジツケじゃねーかという感じ。

ヘラクレスの子孫とする話にも、杯は登場する。ただし、こちらは「弓」「帯」「杯」の三点セットだ。
二つに被ってるのは「杯」だけだから杯が重要だろうって言われりゃそーなんですが…

歴代のスキタイの王にとって、その入手と保持が、王位に即く有資格者である証明としての意味を持ったことが明らかなこれらの聖宝の中でも、王権の神聖な標章としてもっとも中心的な意味を持った品は、杯だったと思われる。

これはちょっと言いすぎだ。

ヘロドトスが書いているのは遊牧民の「末子相続」にまつわる習慣であり、杯に選ばれる儀式ではない。いま引用した部分と、あとにつづく他の2パターンの伝承の中に、杯だけを特別視していたと判断できる要素は見つからない。

杯のみに選ばれたとはどこにも書いていないうえ、ヘラクレスの子孫であるとする説では、弓を張ること、杯をつるして帯をしめること、という個人技能が及第点に達するか否かが国を継承する条件となっている。特別な品に選別される話ではない。もちろん、吉田氏があとのほうで「金器」と書いているのは、杯だけではなくこれら全てのことである。

これらの伝承から読み取れることは、「スキタイは他所からやってきた」ということ。
キンメリアを追い出してその土地に住んだということもそうだが、父親がゼウスやヘラクレスといった「外来の男性」であり、母親が「土着の女性」である、ということが、それを示唆している。
さらに、道具を使った試練に合格して国を継ぐのは「兄弟の末っ子」であるということ。三人兄弟の末っ子だけが試練に合格するという物語のパターンは色んな神話に見られるが、ここでは論ずることを外そう。末子相続という面から見れば、モンゴルの遊牧民にも、父の一番若い子に家督を継がせよ、という末子相続があるし、ケルト系のウェールズ人も同じ相続方法を採用しているから、スキタイだけの独特のしきたりではなさそうだ。

と、いうわけで、原文を読んでも、その結論に達することは無い。論拠となりえない。
少なくとも、ヘロドトスの記述から、スキタイの神話で杯が特別であるとか、ましてそれが聖杯と関係があるかは論ずることが出来ない。

あと…これは感覚的な問題なのだが。

解説の中に載っていた、ナルト神話の具体的なエピソードの幾つかを読んだ限り、あんまアーサー王伝説との関連を論じる題材はなさそうだ。というか、似てるというならむしろメソポタミア神話じゃないんだろうか。サタナの無茶っぷり、身勝手全開ぶりはイナンナ様っぽいし、バトラズの超人的な無茶っぷりはギルガメッシュ叙事詩のノリ。毛を剃られて人間社会に仲間入りするところなんか、ギルガメッシュの親友エンキドゥじゃないか?

(*2009/6/28 アスタルテ→イナンナに修正 ギルガメッシュはそのまま)

吉田氏ともあろう人がギルガメッシュ叙事詩を思い出さないはずもなかろうに、いきなりバトラズ=ランスロット説を出してきた本編に違和感は感じなかったのか。感じたけど「そういう考え方もアリ」で流したのかなあ…?

「石から剣を抜く」エピソードは類似する物語が少なく珍しいパターンなのでまぁアリかなと思ったけど、「海に剣を投げ込む」エピソードは、アーサー王伝説との類似を論じられるほど似ているわけでは無いと思った。

http://blogs.yahoo.co.jp/alternative_politik/29995417.html

ギリシア神話の鍛冶神ヘーパイストスも・・・黒海北岸におけるスキタイ人共同体におけるシャーマンが、ギリシア化した姿にすぎないに違いない。

ところで、スキタイ人と言えば・・・

以前のブログ記事でカフカース(コーカサス)山脈の麓に住んでいた民族オセット人の風習に、古代スキタイ人の伝統の名残が見られるという話をした。オセット人の占術師はシャーマンである。

このオセット人なのだが、「ナルト叙事詩」という神話をもっている。その神話に登場するクルダレゴンという天上の鍛冶神が登場し、ナルトの英雄バトラズの鋼鉄の身体に焼きを入れて、より強い身体に変えた話がある。

また、その一方で「単眼」や「跛行」が「冥界」と何らかの関係をもつという意味では、『ナルト叙事詩』には3本足の馬が登場する。精霊ワステュルジが騎乗する馬であり、彼は強力な魔力を持つ犬を従えて、空を駆け回る。

ワステュルジは乱暴者であったとされるが、彼は美しいゼラゼという娘のために、結婚を条件に夫とその兄お墓をつくってやる。

そして、その約束を破ったゼラゼが、その後天寿をまっとうして死んだ時、墓に侵入し、馬鞭で打ってゼラセの死体を美しく再生させ、これと交わり、さらに自分の馬にも犯させた。

この二重の死姦によってゼラゼの遺体は妊娠し、一年後、墓の中で一人の女児と一頭の仔馬を産んだ。ウリュズメグが発見して養育したこれらが、絶世の美女サタナと神馬ドゥルドゥルである。

リンク先より要約 ↓
http://suwa3.web.fc2.com/enkan/minwa/sonota/06.html
引用元:『日本神話の源流』吉田敦彦著(文庫版P176-179)

ぐわっ・・・なんちゅう奴じゃ

ちなみに、似た話ではアルカディア伝承のデメテル神話がある。海神ポセイドーンから逃れるため馬に変身したデメテルが、同じく馬に変身したポセイドーンに犯されたあげく、大女神と、アレイオンと呼ばれる一頭の神馬を生むという者だ。

さて、

びっこを引く馬・・・つまり三本脚の馬に乗るワステュルジがやはり冥界と生の世界の間を自由に行きする存在として描かれているが、同じように男性版のシンデレラ伝説においても三本脚の馬が登場する。

以下リンク先より抜粋:http://suwa3.web.fc2.com/enkan/minwa/jack/column.html


幾つかの【シンデレラ】系の物語において、主人公を苛める継母や姉妹が「片目だった、最後に罰として目が潰れた、靴を無理に履こうと足を傷つけて片足を引きずるようになった」と語られることがある。

なにより主人公自身、靴を片方落として片足が裸足になっている。恐らくこれらも「灰まみれ」と同じく、「冥界に関わる者」を示す記号として与えられた特徴と思われる。


また、男性版シンデレラ譚の中には、主人公が後ろ脚の一本を引きずる、いわば三本脚の雌馬に乗っていたと語るものがある。この雌馬を泥沼に落としたり八つ裂きにしてばら撒く行為をスイッチにして、みすぼらしかった主人公は魔力溢れる神人へと変身する。

男性版シンデレラ譚については ↓
http://suwa3.web.fc2.com/enkan/minwa/aohige/02.html#3

 

http://

 
 
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