teacup. [ 掲示板 ] [ 掲示板作成 ] [ 有料掲示板 ] [ ブログ ]


スレッド一覧

  1. 11(0)
  2. ハーゲンダッツの苦味成分と健康被害(0)
  3. 株暴落を手招きする投資家を絶対許してはいけない!(0)
スレッド一覧(全3)  他のスレッドを探す  スレッド作成

*掲示板をお持ちでない方へ、まずは掲示板を作成しましょう。無料掲示板作成

新着順:1480/3549 記事一覧表示 | 《前のページ | 次のページ》

二千年前の奇人たち

 投稿者:Legacy of Ashesの管理人  投稿日:2013年11月17日(日)12時11分14秒
  通報 返信・引用 編集済
  http://www2.odn.ne.jp/hideorospages/trip0201.html

関連記事:クレオパトラの野望と魔術

http://www2.odn.ne.jp/hideorospages/trip0202.html

クレオパトラは韓国整形で可能か?



セラピス信仰を検索すると.........

http://search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%94%E3%82%B9%E4%BF%A1%E4%BB%B0&search.x=1&fr=top_ga1_sa&tid=top_ga1_sa&ei=UTF-8&aq=&oq=

ヘレニズム哲学

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AC%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0%E5%93%B2%E5%AD%A6

ヘレニズムを拙稿で検索すると16件出てきます

http://angel.ap.teacup.com/applet/gamenotatsujin/msgsearch?0str=%82%A0&skey=%83w%83%8C%83j%83Y%83%80&x=0&y=0&inside=1

ピラミッドは惑星を表している

http://www2.odn.ne.jp/hideorospages/pyramids.html

暴君ネロ

~2千年前の奇人たち(1)~

 ~その1~
~その2~へ↓

 このところ古代ローマづいていて、あの時代に書かれた本を読んでいる。『ガリア戦記』(カエサル)、『年代記』(タキトゥス)、『ユダヤ戦記』(ヨセフス)などだ。プルタルコスの『対比列伝』はまだ。
 塩野七生の『ローマ人の物語』は、とりあえず第8巻でストップしている。おもしろい本だけれども、やや疑問に思うところもあって、もうちょっと、当時の事情を知ってから読んだほうがいいのかな、という気持ちになってきた。というのも、塩野本の多少のローマびいきは仕方ないにしても、ときにローマの社会を理想化しているように見えたり、かなり体制的な視点で書かれているなあ、とも思ったので、むしろ、同時代の本を読んでみたいと思ったわけである。
 なかでも、タキトゥスの『年代記』は、塩野本とは逆の視点で書かれていて(帝国全体の運営とか管理というよりも)、帝都ローマの人々の皇帝にたいする冷めた眼差しや、欲望むき出しの社会のムードがリアルに伝わってくる。

 『年代記』は変人といわれた4人の皇帝の時代を扱っている。厭世家のティベリウス、狂人カリギュラ、愚者のクラウディウス、そして暴君ネロと、紀元1世紀頃の皇帝たちの尋常とは言いがたい行状を語っている。ときにはタキトゥス自身の偏見も混じっているようだが、基本的に、多くの史料にもとづいた歴史記録となっているようだ。写本の欠損のため、全部が伝わっているわけではないのだが、暴君ネロについては、かなり詳しく述べられている。ネロはまさしくタキトゥスの同時代人だ。

 暴君ネロといえば、世界中で知らない人はいないくらいだが、ではいったいどんな残酷な人物だったのかとなると、わりと自分などはよく知らなかった。塩野本では、あまりネロの残虐ぶりなどは強調されておらず、わがままで残酷なところのある坊ちゃんという程度の扱いでしかなかった。自分もまあ、その程度なのか、と思っていたのだが、タキトゥスを読んでみると、やっぱり凄まじい。

 ネロには残虐を好むという性質が本来あったようで、年を経るにつれて、その傾向が強まっていったようだ。そもそも彼の母、小アグリッピーナという女性が、ネロ自身にとっての暴君だった。彼女は皇帝クラウディウスの後妻となり、連れ子のネロを皇帝に据えようとする。そのために最終的には皇帝を毒殺する。彼女はかなりの美貌だったらしいのだが、でしゃばりで、権勢欲が人一倍強かったらしい。ネロが皇帝になり、少しずつ彼女のコントロールが利かなくなると、息子のネロに肉体関係を迫ったとも、実際に持ったとも言われている。
 母の権力に恐れをなしたネロは、ついに母親の殺害を実行する。この頃から、ネロの行状が異常なものになってくるのである。

 ネロは先帝の娘と結婚していたが、友人の女房に横恋慕して彼女を奪い、妻とは離婚する。しかし、それだけでは済まずに、離婚した妻に言いがかりをつけて自殺を命じる。また、友人から奪い取った最愛の女、つまり新しい妻も、のちには些細なことでむかっ腹をたて、身重だったにもかかわらず足蹴にして殺してしまう。ネロはそれを後悔していたという。
 ネロには早くから男色の気もあったようで、乱痴気騒ぎの最中に花嫁の姿となって、ある男性と結婚式を挙げたという。また、家の使用人の美しい少年(殺した妻に顔が似ていたらしい)を家来に命じて去勢させ、死んだ妻の代わりにした。
 とまあ、下ネタ方面だけでも、すでに唖然とするが、ネロのご乱交や度はずれた浪費は、ローマ市民も貴族も呆れるほどで、タキトゥスによれば、ネロは「悪徳と淫行のかぎりを尽くした」という。しかし、もはや誰もネロの暴走は止められず、むしろ、お追従をして、ネロの真似をさせられるのである。
 ネロは自分を芸術家と考えており、舞台に立って歌うことまでした。タキトゥスは、そのあたりについては酷評している。(2009/07/17)

 ~その2~

 ネロは17歳という若さで皇帝(元首)になっているが、10年ほどが過ぎたとき、ローマは大火に見舞われる。火は6日間燃え続け、市の大半を焼き尽くす。ローマの14区のうち10区が焼失する大惨事だったという。このとき、ネロはあれこれと君主らしい施策をするのだが、奇妙な噂が人々の間に広まっていく。この火災は、じつはネロが命じて放火させたというのである(真偽は不明)。
 ネロがこのときに犯人としてでっち上げたのが、キリスト教徒たちだった。彼らは市民への見世物として残虐な方法で殺された。タキトゥスによると、獣の皮をかぶせられて犬に食い殺されたり、燃えやすい木材で作った十字架に縛り付けられ、夜の灯火代わりに燃やされたという。
 ネロはこの見世物の間中、嬉々としてはしゃいでいたが、あまりの残酷さに人々は不憫を覚えた。彼らが犠牲になったのは、ネロ個人の残忍性を満足させるためだったと思ったからだ。
 大火から復興するために、ローマの国庫はまさしく火の車になる。寄付金の名目で帝国全土がしぼりあげられ、イタリアだけでなく、ギリシアなど属州、同盟国にある神殿の財宝や神像までが巻き上げられた。この頃から最後の数年間、ネロの暴君ぶりは頂点に達したようだ。

 やがて、ネロの暗殺が多くの有力者によって謀議された。元老院議員、騎士、軍人、婦人までも名を連ねていたという。だが、準備も覚悟も中途半端だったために、陰謀は発覚する。首謀者のひとりの家の奴隷が金欲しさにネロに密告する。ネロの前に連れてこられた容疑者たちは別々に取り調べられ、拷問をちらつかされると、たまらず白状してしまう。芋づる式に多くの人々があぶりだされ、タキトゥスは人数を書いていないが、相当数の人々が処刑された。(ローマの社会では、自由市民への拷問は禁止されていたが、事件の真相を知るために主人の奴隷を拷問にかけることは珍しいことではなかった。)

 この事件だけではなく、もっと些細なことから、あるいは、何の嫌疑もない無実の人々が処刑されたり、追放になるのは、ネロの治世では日常茶飯事だった。ネロのライバルだった先帝の実の息子で、ネロの義弟ブリタニクスは、ネロが皇帝になってまもなく、ネロ自身によって毒殺されている。
 そのほかにも、ネロの政敵になりうる人物はすべて殺された。家柄がよく民衆の尊敬を受けている人物は、それだけでネロの敵とみなされ、遥か遠い地に逃げても、送りこまれた兵士によって殺害された。ある人物が不遜で傲慢な態度を取ったという噂がネロの耳に入ると、それだけで殺された。実績のある将軍3人も自殺を命じられる。ネロの補佐役であり師匠であった哲人セネカさえ、最後にはネロの命令で自殺する。要するに、ネロが気に食わないと思った人間、ネロにとって邪魔だと思われた人間はすべて排除された。
 このように自殺させられたり、処刑された人々の財産が没収されて国庫に入る。あるいは、相続税として巻き上げられるというシステムが働いていたようだ。

 タキトゥスがいうには、「悪徳を競う世にあっては、純潔とか羞恥心とか、そのほかいかなる良風美俗も、守ることは不可能」だったという。「世界中からおぞましい破廉恥なものがことごとく流れ込んでもてはやされる」この都では、民衆は「パンと見世物にしか興味がなかった」。
 しかし、ローマの元老院も、軍隊も、やがてネロへの反感を抱き始める。いつ破滅の順番が自分にも回ってくるかという不安に加え、ユダヤなどで起きている騒乱にも、ネロは満足な対応をとらないからである。民衆もネロを憎悪し始める。小麦が不足し始め、パンの供給が途切れだしたのである。小麦を満載してやっと届いたと思った船には、競技場用の砂が入っていたという有様だ。

 ネロの破滅は突然やってくる。属州の軍隊が皇帝ネロから離反すると、元老院は連動して、ネロに「国家の敵」という裁定を下す。ネロのもとからたちまち人がいなくなり、使用人すらいなくなってしまう。ネロは数人の供を連れただけで都を脱出し、田舎の別荘にたどり着く。供の者から、不名誉な死よりも自殺を勧められるが、本来が小心者のネロは、なかなかそれができないのである。泣いたり嘆いたりしていると、一通の書状が届き、ネロの処刑が決定されたと知る。古式どおりのやり方で、裸にされ首かせをはめられて、鞭で叩き殺されるというのである。ネロの捜索は、すでに各地で始まっていた。
 ネロはこの期に及んでもぐずぐずしていた。剣の刃先をためしてみたり、手本を見せてくれと家来に頼んだり、自分の臆病に愛想をつかしたりしていた。が、やがて、自分を生きたままで捕える兵士の一団が近づいたと知ると、とうとう喉に剣を突き刺した。供のひとりが介添えをした。ネロの開いたままの目は、ぞっとするほど凄味があったという。暴君ネロ、30歳の最後である。

 とまあ、ネロの生涯はこのようなものだが、余談になるけれども、自分はネロの話を読んでいて、あのヒトラーのことを思い出した。ネロの魂は転生を経てヒトラーになったのではないか、などと思った。独裁者とか暴君、残忍なボスというのは、どこか共通する要素があるようだ。一言でいえば、恐怖心で人間を支配しようとする。そんな暴力的な権力にも、人々は従わないわけにはいかないし、かえって、みずから擦り寄る人々も多く出てくるのである。
 ネロの治世は、長いローマ帝国の繁栄の中では、かなり異常で特殊な時代だったのかもしれないが、一面、ローマという時代をシンボリックに体現しているのではなかろうか。
 空前の富と繁栄を誇るローマでは、皇帝だけでなく、貴族も、民衆も、モラルなき道を突き進んでいたように見える。世界中から集まってくる富や財宝、そして、多くの奴隷たちがその社会を支えていた。(ローマの社会では、奴隷は永久の身分ではなく、本人の力量次第で解放奴隷になることも、やがて市民階級になることもできた。だが、奴隷制度が社会の根底にあったのは事実である。)世界最強の軍事力が、それらをかき集めてきた。

 カエサルはガリア遠征に出る前には、今日の金額にして数千億円の借金があったといわれている。ところが、ガリアで何年か征服戦争をするうちに、天文学的ともいえるその借金を全額返済し、今度は金を貸す側になるのだ。当時の征服戦争というのは、そういうものだった。それくらいの旨みがあり、その富はすべてローマに還元された、ということなのである。(カエサルはガリア戦役で百万人を殺したともいわれる。)

 ローマの軍隊は戦争機械といってもよいくらい残忍で統制が取れていた。ローマがやっていたのは覇権のための非情で残酷な戦いだ。ローマ帝国では、征服された地域や民族はローマの一部に組み込まれ、ローマ化されていったといわれる。蛮族にローマの文明が及んでいくという構図だ。しかし、その根本にあるのは、武力を背景にした支配欲と富の獲得だ。そのやり方はまだ非常に野蛮だったといってもよい。これはローマだけが野蛮だったのではなく、他の地域はもっと野蛮だったともいえるし、やらなければ、やられた。時代そのものが野蛮だったのである。
 当時の戦争では、ひとつの戦いだけで数千人とか、2~3万人が殺されたという記述は珍しくない。ある町が攻略されたとき、老若男女、数万人の住民全員が殺された、あるいは全員が奴隷として売られた、などというケースはざらである。ローマの征服戦争でも、そういうことは実際に起きている。人の命は恐ろしいほど軽く、富と、覇権と、欲望がすべてを支配していた。 ローマでも、エジプトでも、ユダヤでも、パルティアでも、おそらく中国でも、要するに、当時の人類はそんなことをやっていたということなのである。

 そんな時代に生まれなくてよかったなあ、などと自分は思ったりもするのだが(輪廻転生が本当にあるのなら、自分も当時のローマ帝国のどこかに住んでいたのかもしれないが)、考えてみたら、同じように野蛮なことは、ついこの前まで、戦前の日本でも、世界でも行なわれていたような気もする。程度の差こそあれ、今でも同じようなことは起きているのかもしれない。人間って、あまり変わってないからねえ。
 ローマ帝国は、結果的にキリスト教の受け皿になるという役割を果たしたけれども、やはり何か社会の軸となるような宗教的なモラルが必要だったのだろうか。そのために数百年をかけて準備をした期間だったのかな、とも思えてくるんだね。 (2009/07/19)
 
 
》記事一覧表示

新着順:1480/3549 《前のページ | 次のページ》
/3549