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ラコフスキー調書 その1

 投稿者:Legacy of Ashes の管理人  投稿日:2015年11月21日(土)01時24分30秒
  通報 返信・引用 編集済
  ロスチャイルドのエージェントだったラコフスキー調書~世界革命の元凶は《OHU》だった   永渕一郎訳

http://megalodon.jp/2011-0525-1153-47/hiroshima.cool.ne.jp/h_sinobu/rakousuki.htm

マー君が熱く語る世界の終末

http://angel.ap.teacup.com/gamenotatsujin/679.html

関連記事:マルクス主義成立過程の種明かし

http://angel.ap.teacup.com/gamenotatsujin/489.html

ロスチャイルドは赤い交響曲を指揮する

http://satehate.exblog.jp/10800240/

マルクス主義の秘境 by ラコフスキー

http://satehate.exblog.jp/10839182



Elvis Presley: If I Can Dream

There must be lights burning brighter somewhere
Got to be birds flying higher in a sky more blue
If I can dream of a better land
Where all my brothers walk hand in hand
Tell me why, oh why, oh why cant my dream come true?

There must be peace and understanding sometime
Strong winds of promise that will blow away
All the doubt and fear
If I can dream of a warmer sun
Where hope keeps shining on everyone
Tell me why, oh why, oh why wont that sun appear?

Were lost in a cloud
With too much rain
Were trapped in a world
Thats troubled with pain
But as long as a man
Has the strength to dream
He can redeem his soul and fly

Deep in my heart theres a trembling question
Still I am sure that the answer gonna come somehow
Out there in the dark, theres a beckoning candle
And while I can think, while I can talk
While I can stand, while I can walk
While I can dream, please let my dream
Come true, right now
Let it come true right now!
Oh yeah



見果てぬ夢

叶わぬ夢と知りながら
無敵の敵と戦う
悲しみをこらえ
勇者も恐れる所へと進む
彼方より純粋な愛を捧げたとえ
その腕が疲れ果てていても

届かぬ星を求める道が
どんなに果てしなくても
正義のために闘おう
それが天の定めなら
勇んで歩を進めよう
この輝かしい旅に
忠誠を尽くすなら
やがては世の中も
正されるだろう

男は最後の勇気を振り絞り
嘲笑され傷を負っても
無敵の敵と戦う

叶わぬ夢を見たのだから

 ラコフスキー調書の被告ラコフスキーは1938年のトロッキスト裁判で、ブハーリン、ルイコフ、ヤゴダ、カラハン等と共に裁判にかけられ、銃殺刑の判決を受けたが、20年の懲役刑に減刑され、強制収容所に送られ、そこで死去した事になっている。1982年の百科事典ブリタニカでは彼の事を次の様に記している。
  クリスチャン・ゲオルギュウィッチ・ラコフスキーは1873年8月13日
 ブルガリア革命家となり、次いでルーマニアにおいて社会主義の地下運動家と
 して活躍、ボリシェビキ党に入党。1890年ソフィアの大学から放校され、
 ジュネーブに行き、フランスに渡り、モンベリエで医学博士の称号を取得、イ
 ンサロフというペンネームで「イスクラ」紙、「ブラウダ」紙に執筆、190
 7年ルーマニアから追放され、ロシアに移住し、1916年逮捕、投獄される。
 1917年ボリシェビキにより釈放される。レーニンの側近となり、十月革命
 後は1919年中央執行委員会委員に選出され、ウクライナ・ソビエト社会主
 義共和国の人民委員会議長となる。しかしソビエト共和国自治活動に味方し、
 スターリンや中央集権の支持者と衝突、その結果ウクライナでの地位から追わ
 れ、1926年フランス駐在大使になる。1927年反スターリン、トロッキ
 ズムの廉で党を除名され、アストラハンに、次いでカザフスタンに流刑される。
 1934年転向し、党に復帰し、保険人民委員に任命されたが、1937年に
 免職され、スパイ、裏切者の廉で逮捕、裁判にかけられた。

 ところで取調官のガブリエル・ガブリロウィッチ・クジミンは、本名はレネ・ジュウリといい、フランスで教育を受け、モスクワでNKVD(内務人民委員会)の外国人諜報員になり、スターリンの信任を受けたフランス系ユダヤ人である。彼は云うまでもなくスターリン主義者であり、トロッキストであるラコフスキーとは、その世界観では相容れないが、時あたかも第二次世界大戦の直前であり、ドイツの対ソ侵攻の可能性を前にしてスターリン政権が危機に直面していた時だけに、ラコフスキーから聞き出したユダヤ金融資本による世界陰謀の内幕は大きなショックを与えている。尚この取調べはフランス語で行われたが、それに立会ったポーランド人医師ランドフスキーがその調書をロシア語に訳し、そのコピーを持っていた。彼がレニングラード近傍の寒村で屍体となって発見された時、その所持品の中からこれが発見され、それをスペイン内乱に参加した義勇兵が海外に持出したものである。


1938年1月26日
ガブリエル・ガブリロウィッチ・クジミンによる
被告クリスチャン・ゲオルギェウィッチ・ラコフスキーに関する考察
(註=取調べ官をGとし、被告をRで表記する。中見出しは訳者が付けたものである)

Gー既にルビャンカ(註、モスクワのソ連秘密警察本部にある監獄)で話合った通り、君に最後のチャンスを与えるよう要請したが、君がこの場に出席している事は、私の要請が成功した事の証左である。我々を騙さないで欲しいものだ。

R-私はそんな事はしたくないし、又、しない。

Gーまず好意ある警告をしておく。今私達に必要なのは、本当の真実だ。法廷や被告の自白の世界に出てくるような《官製的》真実ではない。・・・・ご存知の様に、この様な真実は常識的判断、西側で言われている《国家的判断》にとってのみ価値あるものである。国際政策の要請から我々はあらゆる真実・・・《本当の真実》を得さざるを得ないのだ。・・・例え裁判がどんな方法で行われても、所詮、政府や世間に報道されるものは、彼等に知っていて貰いたい事だけだ。しかし一切を知っておかなければならぬ人、つまりスターリンはこの本当の真実を知らなければならぬのだ。従って君がここで何を喋っても、それは君に不利となる事はない。君の発言は、君の罪を重くするものでなく、反対に君に有利な結果をもたらすと云う事を、君は知って置くべきだ。この時点では既に失われている自分の生命を、君は救う事が出来るかも知れぬ。これで私は言うことは皆言ったが、さてどうなるか。君は、ヒトラーのスパイで、ゲシュタポから資金を貰ったと、一切の自白しているが、本当か?

Rーその通り。

Gーそして君はヒトラーのスパイだったのか?

Rーその通り。

Gー否、ラコフスキー、真実を話してくれ。法廷の証言を言うな。

Rー私達はヒトラーのスパイではない。私達は、君やスターリンが憎むのと同じ様にヒトラーを憎んでいる。或はそれ以上かも知れぬ。これは非常に複雑な問題だが・・・。

●スパイと敗北主義
Gー君に助力するよ。・・・偶然私が知った事だが、君達トロッキストはドイツ参謀本部と連絡を持っていたというが、その通りか?
Rーその通り。

Gーいつ頃からか?

Rー正確な日時は知らぬが、トロツキー没落後間もなくだ。ヒトラーが権力をとる以前だ。

Gー確かめておこう。君はヒトラーや、或は彼の体制の私的スパイだったのか?

Rー正確に言えば、私達がスパイだったのはずっと昔の事だ。

Gー一体何の目的で?ドイツに勝利を保障し、若干のロシア領土を与える為か?

Rー否、とんでもない。

Gーつまり、単純なスパイの様に、銭の為か?

Rー銭の為だって?ドイツから1マルクだって貰ったものは誰もいない。ソ連の外務人民委員を買収するような、そんな銭はヒトラーにない。ソ連の外務人民委員はモルガンとバンダールビルトの富全部以上の予算を自由に出来るし、その銭の支出報告もする必要はない。

Gーよろしい。ではどんな理由で?

Rー素直に喋ってよいかネ。

Gー勿論だとも、私が御願いした事だ。その為に君はここに招かれたのだ。

Rーレーニンがロシアに帰る為に、ドイツから援助を受けた時、果してレーニンは崇高な目的を持っていなかったであろうか?そして、彼を非難する為に流布されている一切の侮辱的な歪曲を、真実だと受取らなければならぬだろうか?果して彼はカイゼルのスパイと言われなかっただろうか?彼と皇帝とドイツの干渉との関係、更にボリシェビキの絶滅者達をロシアに送込んだ事との彼の関係は、全く明白な事だ。

Gーその真偽は、私の質問とは無関係だ。

Rー否、終りまで言わせてくれたまえ。レーニンの活動が当初はドイツ軍の為になったのは、事実ではないのか?ちょっと待ってくれ・・・ブレスト・リトフスクで単独講和が結ばれ、ソ連の莫大な領土がドイツに譲渡された。1913年、ボリシェビキの武器として、敗北主義を唱えたのは誰だったのか?レーニンだ。ゴーリキー宛の手紙の中の彼の言葉を、私は記憶している。「オーストリアとロシアの間に戦争が起れば、それは革命にとって最も有利な事件となるが、フランツ・ヨシフとニコライがこの様な可能性を我々に提供してくれるとは、予想し難い。」ご存知のように、1905年に敗北主義を案出したいわゆるトロッキスト達は、今もなお、同じ路線、レーニンの路線を継続している。

Gー少しばかり違っているよ。ラコフスキー。ソ連で我々が今持っているのは、社会主義であって、皇帝(ツアー)ではない。

Rー君はそれを信じているのか?

Gー何をだ?

Rーソ連に社会主義が存在している事を?

Gーまさか。ソ連が社会主義国でないなんて?


●ソ連は社会主義国ではない
Rー私にとっては、それは名称だけの事だ。そして正に此の点に、私達は反対する真の根拠を見出しているのだ。私に同意したまえ。純理上からも、君は同意すべきだ。スターリンが否と言う権利を持っている如く、私達は理論的、合理的に諾(イエス)を言う権利を持っている。それに共産主義の勝利の為なら、敗北主義も正当化出来る以上、共産主義はスターリンのボナパルチズムによって破壊され、裏切られたと考えるものは誰でも、レーニンと同じ様に敗北主義を唱える権利を持っている(今のロシアがそれに当ると考えている!忍)。
Gーラコフスキー、思うに、君は弁証法を君流に利用して、理論的粉飾をやっているのだ。もしここに大勢人がいたら、私は明らかにこれを証明して見せるのだが・・・。よろしい。君の論拠を君の立場では唯一のものとして受入れる。しかし、それにも拘らず君の言っている事は皆、詭弁に過ぎない事を、君に証明出来ると思っているよ。しかしこれは後日に譲ろう。いつかその日が来るだろう。その時は回答する可能性を私に与えてくれ。しかし、今の所では、次の事を言っておく。君の敗北主義とソ連の敗北が、ソ連において社会主義、本当の社会主義を、或は君のいわゆるトロッキズムの復興を目的とするものであっても、指導者や幹部を殺してしまっては、敗北主義もソ連の敗北も無意味、無目的となる。敗北の結果、権力を得るものは、フェーラーかそれともファッショの皇帝かだ。そうではないかネ。

Rーそれは正しい。君の結論は、私の立場からも、お世辞なしに立派だ。

Gーよろしい。君の真心からこれを認めるなら、私達は多くの事を達成したと思う。私はスターリン主義者で、君はトロッキストだ。不可能な事を達成したのだ。私達の見解の一致点が見出されたのだ。私達二人は、現地点ではソ連を滅ぼしてはいけないということを認めている。

Rー正直なところ、私はこの様な賢い人と会う事は期待していなかった。事実、現時点乃至ここ数年間は、ソ連の敗北については考える事は出来ないし、又現段階では我々は権力を奪取出来ない以上、これを煽動してはならない。我々共産主義者は、この事に何の興味も持っていない。そう、此の点は君の意見と、全く正確に一致している。現在我々はスターリン国家の滅亡に関心を持つ事は出来ない。この国家は、色々な批判を考慮にいれなくとも、反共国家であると私は主張するものであるが、それでも、なおかつ以上の事を言っているのである。私は真心から言っている事が分るでしょう。

Gー分る。これは、私達が同意出来る唯一の道だ。君が話を続ける前に、御願いしたいのだが、私には矛盾と思われる事を、説明して欲しい。君はソ連国家は反共的だと思っているのに、なぜ現地点これを破壊しようとしないのか?そんな反共主義者がいなくなったら、君の真正共産主義復興の障碍(礙)も少なくなる。

Rーいや。そんな結論は単純過ぎるよ。スターリン的ポナバルチズムは、ナポレオン体制が革命と対立している様に、共産主義と対立しているが、それにも拘らず、ソ連は共産主義的形式と教義を保有し続けている。これは形式的共産主義で、真正共産主義ではない。従ってトロツキーの消滅が、真正共産主義を形式的共産主義に自動的に変える可能性をスターリンに与えたと同様に、スターリンの消滅は、形式的共産主義を真正共産主義に変形する可能性を我々に与えてくれる。我々に必要なのは、ほんの1時間だ。私の言う事がわかる?

Gーああ、分るよ。自分の遺産を滅ぼすものは誰もいないという、古典的真理を、君は話したのだ。結構だ。これ以外の事は、虚構だ。君は、スターリン的反共主義が存在しているという前提から出発しているが、この前提を反駁する事は容易だ。一体、ソ連には私有財産権はあるのか?個人所得、会計は存在しているか? そしてこれは何の為か? 私はこれ以上事実を引証するのは止める。

R=しかし私は形式的共産主義の存在は認めている。君が列挙したものは皆、形式に過ぎない。それ以上のものは何もない。

Gーそうだろうか?ではそれは何の為にあるのか?単なる頑迷のせいだろうか?

Rー勿論、そうではない。これは必然だ。だって歴史における唯物論的進化を回避する事は全く不可能だ。可能な事と言えば、その発展を停滞させる事だけだ。その結果何が犠牲になるかって? 進化の歴史的継承権が犠牲になる。その爲その継承権は実際上で抹殺される。しかし人類を共産主義に吸引する力に打勝つ事は至難だ。従ってその力が歪められ、自分自身に敵対させられる時、それによって発展は停滞する。より正確に言えば、永久革命の進歩が緩慢になることになる。

Gー例えば?

●真の社会主義者はトロッキストだ
Rー最も良い例がヒトラーだ。彼に必要なのは、社会主義に勝つ為の社会主義だ。これが彼の極めて反社会主義的な社会主義、ナチズムだ。スターリンに必要なのは、共産主義に勝つ為の共産主義である(これは、全くの嘘である。スターリンによって殺された無関係な民の事を考えれば、この言葉が出ない!忍)。明らかに類似している。しかしヒトラーの反社会主義とスターリンの反共産主義は、双方とも残念ながら、その希望を反して、結局において、社会主義と共産主義を建設している事になる。彼等がこれを欲しようと欲しまいと、知っていようと知っていまいと、彼等が建設している形式的社会主義と形式的共産主義は、我々共産主義者、マルクス主義者が不可避的に遺産として受取らなければならぬものだ。
Gー遺産としてだって?一体、誰が相続人なのか? だってトロッキズムは完全に清算されている。

Rー君は口でそう言っても、それを信じてはいないよ。例え何度も清算されようとも、我々共産主義者はそれを耐えていく。スターリンとその警察の長い手も、共産主義者全部には届かないよ(これは、共産主義者は宗教問題に位置づけているからです。殉死は正義だと感じているからです。しかし、完全に共産主義の中身は「家庭の崩壊」の道を考えた悪魔の法であるから、神は完全に認めるわけはない。速やかに改心する必要がある!忍)。

Gーラコフスキー、御願いだ。必要なら命令する。侮辱的な口振りは慎んで貰いたい。君は君の《外交官の身分不可侵性》を信頼しすぎている。

Rーまさか私に身分不可侵性があるなんて! 今私は何処の国の大使なのかい?

Gーとても理解し難いトロッキズムの代表者さ。もし私達がそれを名付ける事に同意すればだが。

Rー君の言うようなトロッキズムの外交官になる事は、私には出来ない。私にはトロッキズムを代表する権利は与えられていない。又私自身この役割は引受けないよ。君は私にそれを与えていない。

Gー私は今では君を信用している。君のトロッキズムに関する私の指摘を君が否定していない事を、君の利益の為に強調しておく。君との会談が順調に辷り出したと考えている。

Rー私は君の指摘を拒否出来ないよ。だってこの事は私自身が言った事だ。

Gー私達は相互協定によって、この特殊なトロッキズムの存在を確認した。そこで私にははっきりした事実を明らかにしてくれる事を君に望みたい。この事実は、この不思議な我々の意見の一致を更に検討する為に我々に必要なのだ。

Rーそう。私は君が知る必要のある事は。話す事は出来る。しかしそれも私自身のイニチアチブで話す事は出来るが、《彼等》も同じ様にいつも考えているとは言えばない。

Gーよろしい。その事は考えておく。


●ヒトラーの侵攻は必然か?
Rー現時点では、反対派は敗北主義やスターリンの没落には関心を持っていない。それは我々には、この為の物理的可能性がないからだという点では、私達は一致している。この点では私達は同意している。現在これは否定出来ない事実である。しかし可能な侵略者は存在している。この最も偉大なニヒリストであるヒトラーはベルマフトの恐ろしい武器を持って、地平線上至る所に姿を現している。私達がこれを欲しようと欲しまいと、ヒトラーは自分の力をソ連に敵対して用いている。ところでこの事は私達にとっては全く未知の事実である。この点、まず同意しようではないか。それとも問題は明白に提起されていると考えるかネ?
Gーそう。勿論だ。しかし私がここで言わなければならぬ事は、私にとっては未知の事実なんて存在しないという事だ。ソ連に対するヒトラーの侵攻は不可侵だと考えている。

Rーなぜだ?

Gー非常に簡単さ。彼は侵攻を制御している。又我々を攻撃したがっているからだ。ヒトラーは世界資本主義の雇人に過ぎない。

Rー危険の脅威が存在している事は、私も同意見だが、その結論とソ連に対する攻撃の不可避性との間には、大きな間隙がある。

G=我々に対する危険は、ファシズムの本質そのものが規定するものだ。ヒトラーの希望は別として、彼を援助しているのが資本主義国で、彼等は彼に軍備を許し、全て必要な経済的。戦略的基地建設を許している。これは全く明らかである。

Rー君は大変重要な事を忘れている。それはヒトラーの軍備と、彼がベルサイユ諸国から今なお受けている援助は、スターリンが敗北した場合、我々がスターリンの後継者となる事が出来る、つまり反対派がまだ存在している特別の期間において、ヒトラーに与えられている事だ。この事実は偶然の結果ないし時間的一致の結果なのだと、君は考えるかネ?
Gーベルサイユ諸国からのヒトラーに対する再軍備の奨励と反対派の存在との間には、何の関係もないと思う。ヒトラー主義の弾道はそれ自体明瞭で論理的だ。ソ連に対する攻撃は既に昔から彼の計画の一部だった。共産主義抹殺と東方への進出、これは彼の著書『吾が闘争』、ナチズムのタルムードの教義なのだ。ところが君自身が言っている如く、ソ連に対するこの脅威を、君達の敗北主義者は利用しようとした。


●独ソ戦争は必然ではない
Rーそう。一見すればそれは自然であり、論理的に見える。しかし真理にとっては、余りに自然的であり、余りにも論理的だ。
Gーこれを防止する為、即ちヒトラーが我々を攻撃しない様にする為には、我々はフランスとの同盟を信じなくてはならぬ事になる。しかしこれは素朴過ぎる。これは、資本主義が共産主義救済の為、資本主義を犠牲にする事に同意している事を、我々が信じる事になる。

Rー大衆の集会に適してたこんな命題を基礎にしてだけ、討論を続けるのなら、君の言う事は正しい。しかし君がもしこれを本当に信じているなら、失礼だが、私は幻滅感を味わう事になる。名高いスターリン警察は政治的にももっと充分教育されていると、私は思っていたのだが、

Gーソ連に対するヒトラーの攻撃は、国際的規模における不可避的な階級闘争と同様に、更に弁証法的必然でもある。勿論、ヒトラーと隊伍を組んでいるのは、地上の全ての資本主義だ。

Rー正直のところ、君の教科書的弁証法を知って、私はスターリン主義の政治文化については極めて否定的な意見を持ってしまった。私は君の話を聞いているが、それはまるでアインシュタインが、4次元物理学に関して学生が講義しているのを聞いているような気がするのだ。君が知っているのは初歩的マルクス主義、つまり通俗的、民衆扇動的マルクス主義だと思う。

Gーもし君の説明が余り長くならないなら、マルクス主義のこの《相対性論》を解明して貰えれば有難いが。

●通俗的マルクス主義とは何か?
Rー私は何も皮肉を言っているのではない。善意を持って言っている。君達のスターリン大学でも教えているこの初歩的マルクス主義の中には、ソ連に対するヒトラーの攻撃不可避という君の命題とは矛盾する立言がある事を、君は発見出来るだろう。又、君達はマルクス主義において主要なものは、例えば、矛盾は資本主義の不治の、宿命的疾患であるという前提だと云う事も教えられている。そうでしょう?
Gー勿論

Rーしかし、事実、我々が資本主義を非難しているのは、資本主義が経済面で不断の矛盾の中に迷い込んでいるからだ。だとすると、なぜこれが資本主義の政治面に必ず反映しなければならぬのか? そもそも政治と経済はそれ自体は、重要ではない。これは社会状態の条件ないし尺度である。しかし経済と政治に、或はその双方に一挙に影響を及して来ることになる。従って経済の中にだけ誤謬を発見し、政治の中に誤謬を発見しない事は、不合理だという事になる。君が反ソ攻撃を不可避だと考える場合、この事に注意する事が大切だ。これは極めて重要な事だ。

Gー君の意見によると、君達が当にしているものは、矛盾とブルジョアの誤謬の不可避性だけである。だからその誤謬の結果、ヒトラーのソ連侵略が阻止されると云う事になる。ラコフスキー、私はマルクス主義者だ。しかしここだけの話だが、お互いを傷つけない爲に、君に言っておくが、私はマルクスを信じているが、それでもなおソ連の存在が我々の敵の誤謬のお蔭だけによるものだとは信じない。スターリンも私の見解と同じだと思うよ。

Rーこれで、君達のマルクス主義の文化を私が疑問視する理由がはっきりするのだ。君の動機と反応は平凡な活動家と何ら違っていない。

Gーそれで、私は間違っていると思うのかネ?

Rー君の見解は、小さな行政官、官僚、大衆にとっては正しい。それは平均的闘志には相応しい。彼等はこの見解を信じ、書かれている事は何でも反復している。いいかネ、私が君に言っている事は、全く秘密なのだ。マルクス主義から君達が得ている結果は、古代の秘教から得るものと同じものである。秘教の崇拝者達が知っていなければならなかった事は、全く初歩的な、概略的な真理だけで、その真理は、彼の信仰を、つまり絶対に必要なものを、満足させるだけに必要なものであった。宗教ではこの様に行われているが、革命でもこの通りである。

●マルクス主義の秘教
Gーつまり、君は今度はフリーメーソンの変種としての秘教的マルクス主義を私に教えようというのか?
Rー否、ミステリーではない。その反対だ。私はこれを極めて判然と説明出来る。マルクス主義は、哲学的、経済的、政治的体系となる以前に、革命の陰謀である。そして、我々にとっては、革命は、絶対的真理、唯一の真理である。と云う事は、哲学、経済、政治は革命を誘発する為にのみ必要だという事である。根本的真理は主観的なものといえる。これは経済や政治の中には、更に道徳の中にも存在しない。科学的抽象の見地からすれば、革命は或いは真理でもあり、或はテロでもある。しかし革命的弁証法を信じる我々にとっては、革命は真理だけである。従って革命は、マルクスの解釈の様に、全ての革命家にとっても、真理でなくてはならない。レーニンの行動が現実に矛盾しているという非難に対して、レーニンの行動が現実に矛盾しているという非難に対して、レーニンは次の様に答えた。この言葉は、憶えているでしょう。「私はこれ(革命)が真実在であると思っている」と彼は言っている。君は、レーニンが戯言を言った等と考えてはいないでしょうネ? 否、彼にとっては、一切の真実、一切の真理は革命にのみ関するものであった。マルクスは天才(鬼才!忍)だった。彼の著述は資本主義に対する深刻な批判だけに限られていた。従って、それらの著述は研究対象に関する高度の、科学的理解の成果である。ところが、彼は最高の技巧を極めながら、自分の著述が持っているアイロニーを強調しているのである。「共産主義は勝たなければならぬ。何故なら資本が資本主義の敵となる事によって、共産主義に勝たしてくれるからである」と言っている。これはマルクスの何とも素晴しい命題である。これ以上のアイロニーがあり得るだろうか? そして彼は、人々から信じて貰う為に、資本主義と共産主義を単純に無人格化し、人間を意識的に判断する個体に換えている。彼はこれを手品師の才能でやっている。
 これは、資本家達は資本主義の所産であるという事、共産主義は資本家の生れながらの白痴性がもたらした結果である勝利を手に入れる事が出来る、もし《経済人》にこの不滅の白痴性が具有されていなかったら、資本主義の中には、マルクスが発表した矛盾は起り得ないと云うことを、資本家達に証言する為の滑稽な手法なのである。《賢い人間》を《馬鹿な人間》に変える為には、人間を最低の、動物的段階まで堕落させる事の出来る魔力が必要である(その為に、あらゆる手段で人間を姦淫の方向に導き出しているのである。その魔力が、霊体による勧誘である。だから共産主義の後ろには、悪魔の存在が介入しているのである。手段は、!忍)。資本主義の最高発展の時代に、《馬鹿な人間》タイプが出現しさえすれば、マルクスの公理《矛盾プラス時間は共産主義を建設する》が実現する。正直な所、全てこの事を知っている私達は、ルビャンカの入口にぶら下がっている肖像のようなマルクスの代表者であるという権利を主張しながらも、心の底からこみ上げてくる笑いを押殺す事が出来ないのだ。この笑いはマルクスによって私達に伝染されたものだ。それは彼のその頬鬚の中で、全ての人類を笑っているのが分るからだ。

Gーその上、君は更に尊敬されている世紀の学者を笑う事が出来るのかネ?

●革命の本当の仕掛け人
Rー君は私を嘲笑しているのか?これは驚いた。マルクスがこんなにも多くの学者達を欺く事が出来る為には、彼は彼等より高い所に立たなくてはならなかったのだ。そこで、マルクスの偉大性を全面的に判断する為には、私達は本当のマルクス、革命家マルクス、『共産党宣言』によるマルクスを観察しなければならぬ。つまりマルクスは地下運動者である。彼の時代では革命は地下に存在していたからである。革命はそれが発展し、勝利を得た事に対しては、これらの陰謀家達に恩義がある。
Gーつまり君は、共産主義の終局的勝利をもたらした、資本主義における矛盾の弁証法的過程の存在を否定しているのか?

Rーもしマルクスが、資本主義における矛盾の結果だけで、共産主義が勝利を得ると信じていたのなら、彼は自分の科学的、革命理論の何千頁にも亘って矛盾に関して論じる事はしなかっただろうよ。これは君も信じる事が出来るだろう。マルクスの真の本質的な絶対的路線は、科学的ではなく、革命的だという事だ。革命家と陰謀家は自分の勝利の秘訣を、自分の敵に決して打ち明ける事はしない。彼は決して真の情報を与える事はしないが、世論を迷わせる為の虚偽の情報なら与える。それを君達は陰謀に反対する闘争に利用しているのだ。そうではないかネ。

Gー君の主張によると、資本主義には矛盾は存在しない。そこでマルクスの矛盾論は単なる革命的、戦略的方法に過ぎない事になる。遂に私達はこんな結論に達したのだ。そうだろう? しかし我々は資本主義(初期の資本を蓄財している時の資本主義!忍)における莫大な、不断に激化していく矛盾を見ている。つまりマルクスは嘘をつきながら本当の事を言っていると云う事になる。

Rー君は独断主義のブレーキを外して、独自の発明性を自由に駆使している。危険な議論家だ。そう。その通りだ。マルクスは嘘をつきながら、本当の事を話した(利用した!忍)。彼は矛盾を、資本の経済の歴史の中で継続するものと規定し、その矛盾を《必然で不可避》のものと名付け、故意に人々を混迷させる点で、嘘をついているが、同時にこの矛盾がつくり出されるもの(人工的!忍)である事、そしてそれはその頂点に達するまで、累進的に成長し始める事を知っている点で、本当の事を言ったのである。

Gーつまりアンチテーゼがあるというのか?

Rー否、アンチテーゼ等は何もない。マルクスは戦術的理由から嘘をついているのだが、それは資本主義における矛盾の起源に関してであり、矛盾の現実に関してではない。マルクスは、矛盾がどうしてつくられたか、どうして先鋭化したが、共産主義革命の勝利を前にして、どうして資本主義的生産において無政府状態が誘発されたかを知っている。彼はこの事が起る事を知っている。何故なら矛盾を作り出していた人々を知っているからである。

Gーこれは大変奇妙な、新しい発見だ。君は資本主義が《自殺》に追込まれるその間の消息について論じているが、これはブルジョア経済学者シュマーレンバハ(註、ケルン学派を確立したドイツの経営経済学者、1873~1955年)が規定している事である。しかし実際には、自殺は資本主義の本質でもなく、生来の法則でもない。だが、この考え方で私達がどんな結論に到達するか、知りたいものだ。

Rーまさか、君はこれを直観的に感じないかネ? マルクスの言行が如何に不一致か、気付かないかネ?彼は剰余価値が実際に存在している事とそれが蓄積されている事を立証する事によって、資本主義的矛盾の必然性と不可避性を発表している。つまり剰余価値が現実に存在している事を証明しているのだ。更に生産方法の発達が共産主義建設の爲、彼はインターナショナル、即ち改良主義的組織を作っている。この組織の目的は、階級闘争と価値の制限、出来れば価値の除去(伝統価値、今、盛んにグローバリズムを叫んでいるけれど、それは道徳的価値から来たグローバリズムではなく、伝統的社会秩序を破壊する目的の美名で使われている!忍)にある。従ってマルクスの理論に基づくインターナショナルが反革命的、反共産主義的組織になるのである。

Gーマルクスが反革命家で、反共産主義者だという所まで飛躍してきたのか?

Rー真のマルクス文化がどの様に利用されるのか、今、君達は分っている。だからこそ、論理的にも、科学的にも正確に、インターナショナルを反共的、反革命的組織だと見なす事が出来る。それは君達が事実の中に、可視的な結果以外には何も見えず、教科書の文句を固執している結果だ。マルクス主義では、言行は最高知識の厳格な原則、即ち陰謀と革命の原則に合致していると云う事を忘れた場合には、こんな不合理な結論に到達するのである。

Gー最終的結論にはいつ到達するのか?

Rーちょっと待って、経済的階級闘争は、その結果から見て、改良主義であり、従って共産主義樹立を規定する理論的前提に矛盾する。ところが本当の階級闘争は、真実の、純粋な革命的意義を持つものである。しかし再度繰返すが、一切は陰謀の原則に服従する。即ち一切の方法と目的は秘密にされなければならぬ。階級闘争の結果、価値の蓄積がなされても、それは革命運動の原理を大衆に広報する為の見せかけ、幻想である。ストライキは既に革命的動員の企図である。ストライキで誰が勝とうと負けようと無関係に、その経済的効果は無政府状態を持たらす事になる。その結果、1階級の経済状態を改善するこの方法は、経済崩壊を惹起する。ストライキの範囲や結果が例えどんなものであっても、それは常に生産を減少する。要するに、労働階級にはどうにも成らない貧困が酷くなる。これはまだ大した事でない。唯一の原因となるのは、より多く稼いで、より少なく働く事である。全く経済的に見て馬鹿々々しい話だが、我々の用語によれば、これは既に矛盾である。物価が上がれば、直ぐに取上げられる資金の高騰で目が眩んでいる民衆はこれに気付かない。そして物価を政府が抑えれば、より多く消費し、より少なく生産するという欲望の間に、またも矛盾が生じ、その結果金融インフレとなる。ストライキ、飢餓、インフレ、飢餓という悪循環が起る。

Gーストライキが資本主義的利潤の負担で起る場合は例外だ。

Rーそれは理論だ。純理論だ。実際のところ、どこの国の経済便覧でも良い。その国の貸付金と総所得の総和を、賃金を受取る人の数で割って見ると、どんな驚くべき結果が出てくるかが分る。これは反革命的事実なので、我々はこれを秘密にしなければならぬのだ。つまり、ストライキを起すことで、プロレタリアの利益を守ってやるようであるが、これは資本主義的生産を破壊する為の口実に過ぎないという事である。従ってブルジョア制度の中で対立を組織する為には、プロレタリアの間の対立が、これに付加される。これは革命の2重の武器であるが、それは自然発生するものではない。それにはリーダーと規律、何よりも大衆が愚妹である事が必要なのだ。資本主義のこれらの一切の矛盾と対立は、特に金融部門では、誰かによって組織されなければならぬ。君にはこの事が理解出来ないだろうか? 私の結論を説明する為に君に言っておくが、プロレタリア・インターナショナルの経済闘争と共に、金融インターナショナルの中でも同じ闘争が起っていると云う事だ。双方ともインフレを惹起する。両者の間の符号がはっきりしている以上、協定もある事は予想出来る事だ。マルクス自身がこの事を言っている。

●コミテルンと金融インターナショナル
Gー君はとんでもない馬鹿気た話をして、新しいパラドックスをつくるつもりじゃないだろうな。私はそんな事は考えたくもない。君はお互いに敵意を持っている二つのインターナショナル、資本主義インターナショナルと共産主義インターナショナルが存在していると示唆しているようだ。
Rー全くその通りだ。私は金融(ファイナンス)インターナショナルの事を論じる時は、コミンテルンの事も一緒に考えている。しかしコミンテルンの存在を認めるからって、両者の間に敵意があるとは考えたくない。

Gー私達が虚構と空想の為に時間を浪費する事を君が望んでいるのなら、君は間違った時間を選んでいると言わざるを得ない。

Rーまあ、それはそうとしておいて、君は私を、つまり自分の生命を救う為に夜毎空想を逞しくしていたあのアラビアン・ナイトのコールガールだとでも考えているのかネ? とんでもない。私が主題から逸脱していると君が考えるなら、それこそ間違いだ。私達が提起した目的を達成する為には、私が、《最高のマルクス主義》と称しているものを、君達が知らない事を考慮に入れて、最も重要な問題を君に教えなければならないのだ。この事はクレムリンも知らないのだ。これを承知しながら、私は黙っているわけにはいかない。話を続けてもよいかネ?

Gー続けたまえ。しかしいたずらに想像力をかきたて、それで時間稼ぎをする為に、こんな事を話すんなら、そんな楽しみは全く哀れなエピソードに終る事もあり得る。君に警告しておく。

Rー何も聞かなかった事にして、続けるよ。君は『資本論』を研究している。そこで君の機能的能力を呼び覚したいので、若干の奇妙な話を憶い出して貰いたい。マルクスがどんなに洞察力に、今では巨大工業に変っている彼の時代の英国工業に対する観察から結論を出しているか、考察して欲しい。彼は工業をどんな風に分析し、批判しているか、又工場主をどんなに穢らわしい人物にに仕立てているか。大衆の想像と同じように、君の想像の中には、人間に具像された資本主義の恐ろしい光景が生れてくる。マルクスが描写している通りの太鼓腹をして、口に葉巻煙草を加え、傲慢に町頭に労働者の妻や娘を放り出している工場主だ。そうだろう? ところが他方、問題が金銭に関する場合、マルクスは穏健で、ブルジョア的な正統的信仰を示している。金銭の問題では彼の有名な矛盾が出ていない。彼は金融は、それ自体重要なものとは考えていない。商業と貨幣流通は、呪わしい資本主義的生産の結果であり、資本主義的生産がこれらを支配し、その価値を規定している。金銭の問題ではマルクスは反動家だ。ソ連の星と同じ《五芒星の星》が全ヨーロッパに輝いているが、これは五つの光、ロスチャイルド家の五人兄弟から成立しているのを見て、君は驚くかも知れない。ロスチャイルド家の銀行には、かって全世界から集めた莫大な富がある。彼の時代の世間の想像を絶するこのような価値の莫大な蓄積に、一体なぜマルクスは注意していないのか? これは奇妙な事ではないか? 恐らくマルクスのこの奇妙な不注意は、あらゆる将来の社会革命の説明の中に現れている。民衆が都市或は国を奪取する時、彼等は銀行や銀行家に対する何か迷信的な畏怖感に襲われている。我々はこの事を是認している。王、将軍、司教、警察官、聖職者その他憎むべき特権階級の代表者等を殺し、宮殿、教会、科学機関をも掠奪し、焼き払う(如何に共産主義革命が残酷な考え方をしているのか、考えているのか自白している!忍)。それなのに、革命は常に社会的、経済的のものであっても、銀行家達の生命に対しては、これを尊敬している。その結果、銀行の壮大な建物は完全に残っている。私の情報によると、私が逮捕される以前からそうだったし、今もこれは続いている。

Gーそれはどこの話かネ?

Rースペインだ。君はこの事を知らないのか?こんな事は皆奇妙だと思わないか? 金融(ファイナンス)インターナショナルとプロレタリア・インターナショナルの奇妙な共通性に君が注目しているかどうか知らないが、私の言いたい事は、後者は前者の影(これは、プロレタリア・インターナショナルは、金融インターナショナルの影の意!忍)であり、プロレタリアの方が、金融(ファイナンス)のほうよりずっと後のものだと云う事だ。
Gーこの双方は何も共通のものを持っていないのに、君はどの点に共通性を発見しているのか?

Rー客観的には両者は同じものだ。既に証明した通り、改良主義的運動はコミンテルンと類似の物を作り出し、サンジカリズムと同様に、生産における無政府状態、インフレ、民衆の中に貧困と絶望を倍加した。金融資本も、主として金融インターナショナルであるが、意識的或は無意識的に、対立を作り出しているが、それは更に大規模なものだ。マルクスの炯眼(魔眼!忍)から隠すべくもない金融対立を、なぜマルクスが隠したのか、今となっては推察出来るのである。まして金融勢力は彼の時代では、革命にとって特別の意義を持っていたのである。

Gーそれは単なる無意識的符号で、知性、意志、協定が要求する同盟では全くないよ。

Rーまあ、いいさ、お望みなら、君の見解の上に立つ事にしよう。さて金融問題を分析し、更にどんな種類の人々が金融に参加しているか規定しよう。金銭の持つ国際的本質は誰にも明らかである。この事から、はっきりしている事は、金銭を持っており、これを蓄積している組織は、世界主義的性質を持っており、これを蓄積している組織は、世界主義的(コスモポリタン)性質を持っていると云う事である。金融(ファイナンス)とは、金銭の最高の成果であり、その重要な目的と本質である。金融(ファイナンス)インターナショナルは民族的(ナショナル)(伝統的!忍)なものは一切否定し、認めない。国家も認めない。まるで無政府のようであるが、民族国家は否定しても、自分独自の国家は建設している。この国際的国家が金銭に権力を与える。そして金銭も又異常な力を与える。
 我々が1世紀に亘って建設している我々の共産主義的超国家は、マルクスのインターナショナルの図式に基づいて建設される。この図式を分析すれば、その本質が分る。インターナショナルとそのソ連の原型の図式は純粋な権力である。二つの間の構造の間にある同一性は絶対的だ。これは運命的、不可避的なものであり、これらの作者の人格は同一である。金融資本家は、共産主義者と同様に国際的である。両者は、異なった口実の下に、ブルジョア国家を否定し、これと戦っているのである。マルクス主義が必要されるのは、ブルジョア国家を共産主義国家に変える為である。従ってマルクス主義者は国際主義者とならなければならない。金融資本家はブルジョア民族国家を否定するが、その否定はブルジョア民族国家に限られてしまう。実際上は、彼は自分をインターナショナリストと言ったりはしないが、無政府主義者、世界主義者(コスモポリタン)と称している。現段階では彼の見せかけは、この様であるが、彼が真実何者か、又何者になろうとしているのか、観察しよう。ご存知の様に、共産主義者、国際主義者と金融資本家、世界主義者の間には、明らかな共通点がある。その結果、これと同じ共通性が共産主義的インターナショナルと金融(ファイナンス)インターナショナルの間に存在している。

Gーそれは偶然の共通性で、対立している。両者の一方が自滅すれば、最もラジカルな面だけが残る。

Rー論理的関連性を保存する為に、今はこれに回答しないでおく。私は只《金銭は力なり》という根本公理を解読したおだけなのだ。今日では金銭は地球引力の中心である。同意して貰いたい。

Gー続けたまえ。ラコフスキー、お願いだ。

Rー金融インターナショナルは既に今世紀以前に、徐々に人々の魔力的護符である銭の主人公になっている。この人々は以前は神或は国家を持っていた。金融(ファイナンス)インターナショナルは科学的に見て、革命的戦略技術をも凌駕している。何故ならそれは技術でもあるし、革命でもあるからだ。今説明するが、フランス革命の叫喚と華麗さに眩惑された大衆や歴史家、彼等は王や特権階級から権力を奪取したという意識で陶酔した国民は、神秘的な、用心深い、あまり知られていない少数のグループが真の王権、魔力的、神的権力を手に入れて行くのに気付かなかった。大衆はこの権力がどうして他人によって奪取され、王制時代よりも、もっと残酷な奴隷状態におかれているかに気付かなかった。この王はその宗教的、道徳的の故に、このような残酷な権力を行使する事が出来なかった。結局最高の王権は次のような人物の道徳的、知的、コスモポリタン的性質が、この人々に権力を握る可能性を与えたのである。この人々がキリスト教徒でなく、コスモポリタン(世界主義者)であった事は、明らかである。

Gー彼はどんな神秘的力を奪取したのか?

Rー彼等は金銭を鋳造する現実の特権を握ったのである。微笑わないで。でないと君は金銭とは何か知らないのだと思うよ。私の立場に立って欲しい。君に対する私の立場は、パスツールが現われる以前に登場した医者に対して、細菌学を説明しなければならぬ医師の助手みたいなものだ。しかし君にはそんな知識がない。だからこれは忘れる事にする。我々の言葉は事物に関して間違った思想を起させる事がある。このような言葉を利用するのは、真実の、正確な観念に合致しない思想の情力のお陰である。私は、金銭と言っているのである。君の想像の中に本当の硬貨や紙幣の光景が思われるのは当然である。だが、私の言う金銭はそれではない。そんなものは現代的解釈による金銭ではない。つまり通貨というのは、時代遅れである。金銭が今持って存在していて、流通していたとしても、それは古代の伝統のお陰であり、今日の純粋に想像上の機能、つまり幻想を維持するのに便宜だからである。

Gー素晴しいパラドクッスだが、詩的でさえある。

●金融インターナショナルは革命の参謀本部だ
Rーお望みなら、素晴しいと言っても結構だが、これはパラドックスではない。君が微笑っているで分るだが、国家は今でも硬貨を作ったり、王の胸像や国章入りの貨幣を作っている。それがどうだというのだ? 国家的富を代表する大事業の為の通貨の大半、即ち金銭は、私が示唆した人々によって発行されているのである。私有権、数字、小切手、為替、値引、予算、数字と際限もなく、まるで滝のように国に氾濫する。全てこれを硬貨や貨幣と比較出来るだろうか? この硬貨、紙幣は金融力の増大していく洪水を前にしては、無力な極小のものに見える。金融家達は、微細な心理学者であり、何の困難もなく、自分の金融勢力を強大にしていく。それも大衆に理解力が欠如しているからである。金融力の色々な形態に加えて、彼等は《クレジット》マネーを作り出し、その価値を際限なく高騰させようと目論んでいる。そしてもしこれに音速を加えると、これは抽象、思想、数字、数となる。信用と信仰になる。
 さて、君はこれが理解できるか?欺瞞である。偽造貨幣だ。君に分り易くする為に、別の用語を用いれば、合法化された貨幣である。銀行、取引所、一切の世界金融システムは、アリストテレスの言の如く、反自然的スキャンダルを作り出す為の巨大な機械である。即ち金銭を殖す為に、金銭を利用する。これは正に経済的犯罪、刑法の侵犯つまり高利貸しである。彼等は法定利子を受取っていると言うが、どうしてこれを正当化したり、説明したり、又公表出来るのか、分らない。仮にこのような説明を容認し、事実を認めても、高利貸しはやっぱり高利貸しだし、それに彼が受取る利子が例え法定のものであったとしても、その高利貸しは、実在もしていない資本を捏造し、偽造している事に代りはない。銀行は生産に一定の金額を投資する。その金額は彼等が実際有っている硬貨、紙幣の額よりも、十倍も百倍も多い。《クレジット》マネーつまり偽造貨幣、捏造貨幣が、クレジットから支払われる実在資本より多い場合の事を言っているのではない。法定利子が実在資本に対してでなく、実在もしていない資本により計算される時は、その利子は実在資本からの利子を越える割合いだけ非合法的だと見なさなければならぬ。私が君に詳細に説明しているこのシステムは、偽造硬貨を利用している連中の間の量も隠されたものの1つである事に注意して欲しい。彼等の持っている富のお陰で、無限の権力を持っている人々の少数のグループを、出来たら想像したまえ。彼等は取引所の絶対独裁納得出来るだろう。君にもし十分な想像力があれば、全てこれを世界的ファクターに加乗すれば、彼の無政府的、道徳的、社会的影響力つまりは革命的影響力が分るだろう。分るか?
Gーすこしはネ。

Rー奇蹟を理解するのが困難な事は当然だ。

Gー奇蹟だって?

Rーそう、奇蹟だ。ちゃちな木製ベンチを寺院に変えてしまう事が奇蹟でなくて何だ? ところがこの様な奇蹟を世間の人は、この1世紀の間に何千回となく見ている。これは、高利貸しが腰をおろし、そこで金銭を商売にしていたその汚いベンチを、現代の都市の一角を荘厳に飾立てた現代寺院に変えてしまった例外的な奇蹟である。この現代都市は豪華な円柱と群衆を持っている。この群衆は天の神々からは何も受取らないのに、金銭の神に自分の犠牲を捧げ、持物一切をその神に与える。ところがその神は銀行の鋼鉄の金庫の中で暮しており、その神聖な使命によって、彼等の富を形而上学的無限にまでに増殖する事を約束していると、彼等は考えているのである。

Gーこれは堕落したブルジョアの新しい宗教だネ?

Rーそう。宗教だ。権力の宗教だ。

Gー君は経済の本当の詩人だ。

Rーお望みならば、芸術の対象として、あらゆる時代の最大の革命として、天才達が作り出した金融を描写する為に詩が必要だ。

Gーそれは間違った見解だよ。マルクス、特にエンゲルスがいっている金融(ファイナンス)とは、資本主義の生産制度によって規定されるものだ。

Rー全くその通りだが、それは正反対なんだ。資本主義制度が金融によって規定されるのさ。エンゲルスが別の定義を与え、それを弁護する事に努めているのは正しい。しかし、彼はそうする事によって金融がブルジョア生産を支配している事を立証しているのだ。金融こそ革命の最強の手段であり、コミンテルンは彼等の手の中にある玩具に過ぎない。これは過去もそうだったし、マルクスやエンゲルス以前でもそうであった。しかしマルクスもエンゲルスもこれを説明しなかった。というより反対に、自分の学者的才能をフルに利用し、革命の為に、真実を糊塗したのだった。二人ともこれに従っている。

Gーそれは新しい話ではない。これで私は、トロッキーが前に書いた事を思い出した。

Rー話して欲しい。

Gーコミンテルンはニューヨーク取引所に比較すれば、保守的組織だと彼は言って、革命の発明家として、大銀行を指摘しているのだ。

Rーそう、彼はこの事を小冊子で書いている。その中で英国の没落を予言している。そう彼はこの事を述べた後、こう付言している。「英国は革命の道に押してやる者は誰か?」「モスクワではなくて、ニューヨークだ」と答えている。

Gーしかしニューヨーク金融家達が革命を起したとしても、彼等はこれを無意識にやったのだと彼は主張している事を、思い出して欲しい。

Rーなぜマルクスとエンゲルスが真実を隠していたか、君にわかって貰いたい為に行った私の説明は、レフ・トロッキーに関しても同じ事なのだ。

Gー私がトロツキーを評価するのは、昔から分っていたが、彼が文学的形式で、かって知った事実について、意見を述べた事に対してだけである。これらの銀行家は皆、「彼等の革命的使命を遂行して入るが、抵抗もなく、かつ無意識の内に行っている」と、トロツキー自身が全く正しく主張している。

Rーそしてトロツキーが、この事を公表した事実があるにも拘わらず、彼等は自分の使命を遂行していたとでも言うのか? これはすこぶる奇妙な事じゃないか。なぜ彼等は自分の行動を改めなかったのか?

Gー金融家達が無意識的革命家だというのは、客観的にそう見えるのだ。それは彼等には終局的結果を見る知的能力がないという結果である。

Rー君は本当にそんな事を信じているのか? これらの天才達の間に、無意識的に行動しているものがいると君は考えているのか? 今、全世界を支配している連中を、馬鹿だとでも思っているのか? だとすると、これは酷く馬鹿々々しい矛盾だ。

Gー彼等は客観的にも、主観的にも全く意識的な革命家だと、私は言っているだけだ。

Gー銀行家達が? 君は正に狂人だよ。

Rー否、私は・・・では君はどうか? 一寸考えて見たまえ。この連中は、君や私と同じ人間だ。彼等は自分で金銭を作っているので、際限もなく金銭を自由にしている。しかしだからといって、我々は彼等の持っている自己顕示欲の限度をこの位でよいと決める事は出来ない。自己顕示は、人間に完全な満足を与える唯一のものだ。そして、権力は人間の意志に満足感を与える。この銀行家達が権力欲を何故持ってはならないだろうか? 同じ欲望が、私にも、君にもあるじゃないか?

Gーしかし、彼等は既に全世界を支配する権力を奪取していると、君は言っている。私はそう思う。だとしたら、この上彼等はそれ以外のどんな権力が必要だろう?

Rー私はもう君に言っている。完全な権力だ。スターリンの持っているのと同じ権力である。但し、それは全世界を支配する権力である。

Gースターリン的権力だが、反対の目的を持っているのかネ?

Rー権力は、もしそれが実際に絶対のものであるのなら、唯一つである。絶対という観念は複数を排除する。だからこそ、本質的に同次元のものであるコミンテルンと金融インターナショナルが志向する権力は、政治に於いて絶対となり得ない。従って今日まで共産主義国家以外に、全体主義的力を持つ別の組織が考案されなかったのである。資本主義的ブルジョア権力は、最高段階に立つものであっても、高々シーザーの権力、制限された権力である。何故なら理論的に見て、これは古代に於けるファラオやシーザーの人格の神化であり、当時の原始時代の経済条件や技術的開発が不完全だったので、人々は常に若干の個人的自由を持っていた。ところが、既に部分的ではあっても、国家や世界的国家を支配している連中は、世界的権力を要求する権利を持っているのだ。これはわかるか? 彼等がまだ達成出来ない唯一のものが、これである。

Gーこれは興味有ることだ。とうとう狂気の沙汰だ。

Rー勿論、狂気ではあるが、レーニンはスイスの屋根裏の部屋で、全世界に対する権力を夢見ていた。スターリンは流刑中シベリアの農家で同じ事を夢見た。この程度の夢ならニューヨークの摩天楼に住んでいる金持ちのほうがもっと似つかわしいと思うよ。

Gー結論を出したまえ。《彼等》とは誰なのだ?

●《彼等》とは誰か?
Rー私が《彼等》を知っていながら、ここに捕虜として坐っていると思うほど、君はナイーブではない筈だ。
Gーそれは何故だ?

Rーそれは最も簡単な理由からさ。彼等の知人だったら、その男はこんな事態に陥ちいる筈もないし、又彼等の事を君に密告する権利も無い筈だ。これは賢明な陰謀の初歩的な原則である。君はこうした規則をよく知っている筈だ。

Gーでも、君は彼等は銀行家だと言っているじゃないか?

Rー否、私はそんな事を言った事はないよ。私は常に”金融(ファイナンス)インターナショナル”について論じているのだし、問題が古人に関する場合は、《彼等》という以上の事は何も喋っていない事を思い出して欲しい。彼等の事を腹蔵なく打明ける事を君が求めるのなら、私は事実についてなら述べるとしても、彼等の名前は知らないからだ。政治的ポストについていたり、世界的銀行で働いている様な人は、《彼等》の中には一人にもいないと言っても、間違いないと思う。私が理解している限りでは、ラッパロでラーテナウ(註、ヴァルター・ラーテナウはドイツ系湯ユダヤ人で、第一次世界大戦後1922年ドイツの外相として、ラッパロでソ連との条約に調印した。ドイツの左翼的民主党政党のい組織者で、1922年6月24日右翼テロリスト達によって暗殺された)が殺害された後、彼等はその仲介者だけを表向きの政治的、金融的ポストに任命している。信用出来る人、忠誠で、充分に検証された人物を選んでいる。銀行家と政治家は、例え彼等が高いポストについており、予定計画の作製者であったとしても、単なる雇われ人に過ぎない事は、はっきりしている。

Gーそれはよく分る。又、論理的でもあるが、君が知らないというのは、話すのを回避している為だろう。私の持っている情報でも、君はこの陰謀でかなり重要な地位についており、最沢山知って筈と思うが、つまり、君は彼等の誰も知らないというのかネ?


●フリーメーソンとマルクス


Rーその通り。しかし、君は勿論私を信じないだろう。どう言ったら良いか、神秘的なガンジーのような性格を持った人物の事を話した事があるが、しかし一切の外面的描写は抜きにしてだった。今又私はその時の事を話す事になった。彼等は一切の俗事から抜出ている。純粋な権力を持った、いわば神秘家だ。私の言う事が君に分るかどうかは知らない。彼等の住所と名前については、私は知らない。ソ連を支配していながら、石の壁に囲まれてはいない。その周囲には誰もいない。そして、どんな市民とも同じ程度の生命の保証しか持っていないスターリンを想像して欲しい。どうして彼は彼の生命を狙う暗殺から身を守る事が出来るのか? このような神秘的な人物は彼の権力がどんなものであっても、陰謀者だし、匿名者である(この計画者は、ベーエルデ星のダビデ・カンタルーネ霊体である。只、悪魔ダビデがどこまで異星人と繋がっているのかは自分では分らない!忍)。

Gー君の言う事は皆、理に適っているが、それでも私は君を信じないよ。

Rーでも信じて欲しい。私は何も知らないんだ。そりゃ知っていれば、幸いだと思うよ。その時には、ここに坐っていて、自分の生命を助ける事に心を労する事も無い筈だ。君の疑いは尤もだ。君は警察だ。この連中の事を是非知る必要がある。私は君を尊敬している。これは皆、私達がここに集っている。その目的の為にも必要だ。だからこそ、知っている事は、皆喋っているのだ。君は歴史には書かれていないが、我々にだけ分っている事、つまり最初の共産主義インターナショナルの創立者がアダム・ヴァイスハウプト(註、1776年、ババリアのインゴルタットで啓明結社を創立した)であった事を知っているかい? これは秘密にされている。彼の名前を憶えているか? 彼は啓明結社(イルミナット)(註、ドイツの宗教的・共和政治的結社で、そのメンバーの中には多くのフリーメーソン会員がいた)の首領であった。この名称はこの時代の2番目の反キリスト教的陰謀、グノーシス主義から借用したものである。彼は革命家で、フランス革命を予見し、事前にその勝利を保障したユダヤ人で元イエズス会士であった。彼は自分で、或は誰かの命令によって(ある人々は、彼の指揮者ドイツ系ユダヤ人哲学者モーゼス・メンデルゾーンだと言っている)秘密組織を作った。この組織は、共産主義を樹立する目的で、フランス革命に変える為、革命の政治的目標を遥かに越えて、フランス革命を煽動し。推進していった。この英雄的時代では、共産主義を目的に掲げる事は非常に危険であった。その為に啓明結社(イルユミナット)は全て地下に潜った用心深さと秘密があったのである。投獄されたり、断頭台に登る危険がなくなり、共産主義者を名乗る事が出来るまでには、百年以上かかっている。これは十分周知の事だ。分らない事は、ヴァイスハウプトと彼の仲間達の初代ロスチャイルドとの関係である。最も有名な銀行家達の持つ富の源泉を包んでいる秘密を説明出来るものは、彼等が最初の共産主義インターナショナルの会計を担当していたと云う事である。五人の兄弟がヨーロッパで金融帝国の五つの地区を作り、巨大な富の募集の為に、これを援助したという証拠もある。彼等は全ヨーロッパに拡がっているババリアのカタコンブ出身の最初の共産主義者であったと云う事は、あり得る事だ。ところがある者は次の様に言っている。彼等の言う理由が勝っていると私は思っている。それはロスチャイルドは会計担当者ではなくて、実は秘密の共産主義の首領だったという説である。この見解は周知の事実に基づくもので、マルクスと第一インターナショナルの最高指導者達は、その中にはゲルツェンやハイネも加わっているが、ライオネル・ロスチャイルド男爵(註、1808~79年)の統制下にあった。ユダヤ人の英国首相ディスレーリが描いた彼の革命的風貌は、我々に伝わっているが、ディスレーリは彼(ライオネル・ロスチャイルド男爵)を、”スパイ、炭焼党(註、カルボナリ党)員、フリーメーソン、秘密のユダヤ人、ジプシー、諸々の革命家達を知っており、彼等を《指導》していた億万長者”として描写している。全てこれはお伽話のように思われる。ディスレーリはロスチャイルドを《シドニイ》と呼んでいた。しかしこのシドニイはロスチャイルドの息子ナタンの理想化した肖像である事が証明されている。彼はゲルツェンの思想を支持し、皇帝に反対する運動を起し、勝利を得ている。もしこれらの事件に照して、我々が予想出来る全ての事が正しいとすれば、資本蓄積と無政府状態を創出するこの恐ろしい機械(共産主義)を誰が発明したか、金融インターナショナルとは何かを規定出来ると、私は考えている。彼こそ革命的インターナショナルを作った当人だと思う。プロレタリアにストライキをやらせ、絶望感の種を蒔き、同時に、プロレタリアを革命に巻込む為に、プロレタリアを団結させる組織を作る為の最高級の武器を、資本主義の援助の下に建設すると言った事は、将に天才(鬼才!忍)の行動だと思う(その前に、貨幣の量を調整して、景気の変動を自由に扱う事を考えている。マイアー・アムシェル・ロスチャイルド(1743~1812)の有名な言葉「私が一国の通貨を支配出来れば、法律等は度外視出来よう」残している。要するに、景気変動を自由に扱いたいとの願望が見え隠れている!忍)。これは歴史に素晴しい章を書き入れる事だ。否、それ以上だ。ロスチャイルドの五人の兄弟の母の言葉を記憶しているでしょう。「もし私の息子達が望まないなら、戦争は起らない」。これは仲介者という代理人がいる事、そして彼等は、皇帝ではないが、”戦争と平和の主人公”であると云う事である。この宇宙的重要性を持つ事実を君は想像出来るか? 戦争は今では革命的機能となっているのではないのか? 戦争はコンミューンだ。その時以来、戦争は共産主義への巨大な歩みである。まるで何か神秘的な力がレーニンの希望を果してくれたのである。この事に関して、レーニンはゴーリキーに話している。1905年と1914年の事だ。共産主義の三つの槓桿の内二つは、プロレタリアの統制になかったし、統制されるものではなかった。戦争は起らなかったし、第三インターナショナルによっても、ソ連によっても戦争はコントロールされなかった。何故ならこれらは当時はまだ存在していなかったからである。亡命中のボリシェビキの小さなグループも、戦争を望みながら、戦争を挑発する事は出来なかった。これははっきりしている。インターナショナルとソ連は莫大な資本を蓄積も造出する事も出来なかった。食糧の莫大なストックを飢えている人に与える代りに、又ラーテナウが言った如く、「世界の半分が肥料を作り、他の半分がこれを利用出来るようにする」代りに、これを焼却してしまうような無政府状態を造出する事は出来なかった(これは、明らかに飢餓地獄を作る願望を表している。実際には、スターリンの時のウクライナ虐殺が行われている!忍)。そしてこの様な状況下で、果してプロレタリアは、これは等比級數で増大していくインフレや、貨幣の無価値化、生産物の不断の増加、実在貨幣でない、金融資本の増加によって惹起されたものであるとか、革命の敵である中産階級が徐々にプロレタリアに変っていくとか、信じる事が出来るであろうか? プロレタリアは経済乃至戦争の槓桿を制御できないが、彼は第三の槓桿を持っている。それは資本主義国の力に決定的打撃を与え、これに打勝つ事が出来る唯一の明白な根幹である。但し、《彼等》がこれをプロレタリアに許した場合に限り、プロレタリアは資本主義国を奪取出来る。

Gー再度君に繰返して言うが、君がその文字的形式で表現している一切は、一つの名称を持っている。これについては、際限のない対談の時に、私達が既に述べている。その名称とは資本主義本来の矛盾である。そこで君の主張している如く、プロレタリア以外に、何か第三者の意志と活動が存在しているのなら、これについて最具体的な資料を与えて欲しい。



●金融インターナショナルとトロツキー
Rー君に必要なのは、それだけか? 宜しい。1つの事件を聞いてくれたまえ。日露戦争の時、《彼等》は外向的に皇帝(ツァリ)を孤立化させ、米国は日本に金融援助を与えた。正確に言えば、ヤコブ・シフ即ちロスチャイルド家一統のクーン・ローブ会社の社長を通じて行われた。シフはロスチャイルド家出身である。彼は絶大な力を持っており、アジアに利害関係を持っている米国に対して、当時、日本帝国建国を支援させた。日本人は外人を憎んでおり、同じ様な感情がヨーロッパにも発生していたが・・・。捕虜収容所から充分に教育された革命分子がペトログラードに帰って来た。彼等は日本の許可を得て、クーン・ローブ会社に融資している人々を介して米国から出発した。日露戦争は、皇帝の軍隊の組織的敗北で終結した。そのお陰で1905年の革命が勃発した。この革命は時期尚早であったが、殆ど成功した。敗北はしたが、1917年の為の必要な政治的条件を準備した。話は最続けよう。君はトロツキー(註、ユダヤ名リョフ・ダビッドウィッチ・プロンシュタイン)の微歴を読んだ事があるか? 彼の第1期の革命時代を想起して欲しい。彼はまだ青年だった。シベリアから逃亡してから、しばらくの間、ロンドン、パリ、スイスで亡命者達の間に暮していた。レーニン、プレハーノフ、マルトフ達は彼を有望な新人と認めていた。しかし既に第一回の分裂の時、彼は独立して、調停者として登場しようと努力している。1905年、25歳の時、彼は党を持たず、自分の組織も持たず、ロシアに単独で帰る。スターリンが修正を施していない、1905年の革命資料を読んで見たまえ。それはトロッキストではなかった。ルナチャルスキーの書いたものである。トロツキーは革命の時はペトログラードでは第一人者である。これは実際その通りだった。以前にもまして好評と影響力を持って、彼は革命から栄達した。レーニンも、マルトフも、プレハーノフも人気を獲得してはいない。彼等はせいぜい昔日の人気を保つだけか、或は多少失っていた。どうして無名のトロツキーが出現するや、忽ちにして、有力な古参の革命家達を凌いで、大きな権力を獲得したのか? 極めて簡単である。彼は結婚していた。彼の妻ナターリヤ・イワノヴナ・セドワは彼と一緒にロシアにやって来た。彼女が何者か知っているか? 彼女はジボトフスキーと一緒に働いており、ワールブルグやヤコブ・シフ、即ち1905年革命に資金援助をした金融グループの親類達と関係を持っていた。これがトロツキーが革命名簿の中で1位に躍進した理由である。そこで彼の性格の概略にふれて見よう。1914年に立帰って見よう。サラエボでフェルジナンド大公を暗殺した人々の背後にはトロツキーが存在している。そしてこの暗殺がヨーロッパ戦争を惹起したのである。暗殺と戦争が単なる符号だと、君は考えるか? あるシオニスト大会でメリチェット卿がこれを言っているが、《符号ではない》という見地からロシアに於ける軍事行動の発展を分析して見給え。《敗北主義》が正確な定義となる。同盟国側は皇帝を援助したが、それも同盟国側の大使には皇帝と争論し、皇帝の親しみ易さを利用し、次々と皇帝に自殺的決定を慫慂するような権限を与えるようなものであった。ロシアの肉弾は莫大であったが、無限のものではなかった。一連の組織された敗北は革命をもたらした。脅威が全面的に現れた時、それからの救済は、民主主義的共和国(今の日本国家!忍)、レーニンのいわゆる《大使的共和国》つまり革命家達を脅かさない政府を建設する事であるとされた。しかしこれは全てではない。ケレンスキーはより大きな流血を代償として、脅威を深刻化する事を煽動する役目になったのだ。これを行った結果、国を共産主義に譲渡したのである。トロツキーは今や《隠密裡に》全国家機関を奪取する可能性を受取った。何という不合理だ! でもこれが、賛美される十月革命の実相だ。ポリシェビキは《彼等》が与えたものを受取ったのである。
Gーケレンスキーはレーニンの協力者だったとでも言うのか?

Rーレーニンではなく、トロツキーだ。いや、《彼等》の協力者と言うほうが正しい。

Gー馬鹿〃〃しい!

Rー君はこれが分らぬか? これは驚いた。仮にもし君がスパイでありながら、これを隠して敵の要塞司令官になったとする。果して君は、君が仕えている攻撃者の為に、門を開かないだろうか? 敗北した捕虜にならぬだろうか? 敗北に過ぎない事を知らない攻撃者が、君を殺すかも知れない攻撃にあった時、果して君は安全だろうか? 私の云う事を信じたまえ。レーニンには称号や廟はあるが、それにも拘らず、共産主義はレーニン以上にケレンスキーに恩義がある。

Gーケレンスキーは意識的な、自発的な敗北主義だったと言いたいのか?

●十月革命は金融インターナショナルの陰謀だ
Rー私にはこれは全く明らかだ。但し、私個人はこれには参加していない。話を続けよう。十月革命の資金援助をしたのは誰か、君は知っているか? 《彼等》が、1905年に日本に資金援助した銀行家を介して、革命に資金を与えた。つまりヤコブ・シフとワールブルグ兄弟だ。連邦準備銀行のメンバーである五つの銀行の1つを介して、又クーン・ローブ会社の投資銀行を介して、全ての星座が資金援助をした。同様にグケンハイム、ハナワー、 ブレイツング、 アシバーグ、 ストックホルムにいて、資金の受渡しに参加していた。トロツキーが到着するまでは、私は革命家達の仲介者を勤めていた。ついにトロツキーが到達した。私が強調しなければならぬ事は、同盟国側は彼を、敗北主義者として、フランスから追出したという事である。そして、同盟国はトロツキーが同盟国ロシアで敗北主義運動を指導出来るように彼を釈放したのである。彼の世話をしたのは誰か? レーニンのドイツ通過を援助した同じ人々である。 そう、《彼等》が敗北主義者トロツキーをカナダの収容所から救出し、同盟国の国境を自由に通り抜ける可能性を彼に与えて、英国に派遣し、ついでロシアに送ったのである。《彼等》の中の別の連中、例えばラーテナウは敵国ドイツを通過してレーニンが旅行出来るように斡旋した。もし君が革命と内乱の歴史を、先入観なしに知り、君がしばしば用いている問題提起の能力を全て利用するならば、その時初めて、君は全般印象を構成し、個々のデータを、お伽話のようなものまで含めて、研究し、《興味有るチャンス》のシリーズを知る事になる。
Gーよろしい。何もかもが成功の結果ではないという仮説は認めよう。どんな結論、実際的な結果を君は持っているのか?

Rーこの短い歴史を最後まで聞いてくれたまえ。それから結論を出そう。トロツキーがペトログラードに到着した後、レーニンは彼を公然と受け容れた。君がよく知っている通り、二つの革命の間の中断時期には、二人の間には意見の深刻な相違があった。しかしここでは一切が忘れられ、トロツキーは、スターリンにはこれが気に入ろうといるまいと、革命の勝利の時代では自分の事業を知っているものとして、処遇される。それは何故か?
この秘密はレーニンの妻ナジェージダ・コンスタンチノーヴナ・クループスカヤ(註、ユダヤ人女性)が持っている。彼女はトロツキーが何者であるか、よく知っていた。彼女がレーニンにトロツキーを受け容れるよう強く勧めたのである。もしレーニンがトロツキーを受け容れる事を拒否したら、レーニンはスイスに止る事になったであろう。これが彼にとっては、トロツキーを受け容れた重要な理由の1つであった。その他レーニンは、トロツキーが資金を調達し、莫大な国際的援助を組織した事を知っていた。証拠は《封印された列車》である。更に鉄のような決断力を持って、小さなポリシェビキ党と全ての左翼革命党員、無政府党員を結束させたのはトロツキーであり、レーニンではない。《政党を持たぬ》トロツキーの本当の党は、ユダヤ人プロレタリアの古い《ブンド》(註、ユダヤ人労働総同盟)であった。この《ブンド》から全てのモスクワの革命的支流とその指導者の90%が生れている。最もそれは形式上の《ブンド》でなく、”ブンドの秘密指導部”である。この指導はあらゆる社会主義政党に滲透しており、その政党のリーダーは、《ブンド》に制御されていた。

Gーそしてケレンスキーも同じか?

Rーそう、ケレンスキーも、同じ様に社会主義者でないリーダーやブルジョア政治的分派のリーダーもそうだ。

Gー一体どうしてそうなるのだ?


●フリーメーソンの秘密
Rー民主主義的ブルジョア革命の初期におけるフリーメーソンの役割の事を、君は忘れているのか?
Gーまさか彼等も《ブンド》によってコントロールされていたのだろうか?

Rー当然、下級段階ではあるが、《ブンド》に服従していた。

Gー彼等の生命と特権を脅やかすマルクス主義が成長してはいても?

Rーそれにも拘らずだ。彼等にこの危険が分らなかったのは明瞭だ。メーソンは誰も、現実に存在しているもの以上の事を、自分の想像の中で見たり、表象する事を期待していた。何故なら望ましい事を空想していたからだ。この事を注目して欲しい。彼等の持っている組織の政治力を立証する爲に、彼等が腐心した事は、彼等のメンバーが殖え続けている一方で、メーソンが政府やブルジョア国民の上流社会に入っていく事だった。この時代は、非常に稀な例外はあるが、同盟国の全ての支配者は表権を持っているという誇りとなっていた。革命はフランス型のブルジョア共和国の限度まで到達しなければならぬと、彼等は信じていた。

Gーロシアで1917年時代に、こんな事を信じる人は、非常に素朴な人間に限る。

Rー彼等はそんな連中だった。メーソンはその中で彼等が大きな役割を演じた大フランス革命の最初の教訓から、何も学び取らなかった。革命は、オルレアン・ロッジのグランド・マスターであったルイ16世をはじめ、ジロンド党員、ジャコバン党員その他メーソンの大部分を抹殺した。彼等の内の誰かが生き残ったとしても、それはブリュメール(蜜月)18日のお蔭だけであった。

Gーメーソンの助力で権力を取った革命家達の手によって、メーソンのメンバーは死ななければならぬと言いたいのかネ?

Rー正にその通り。君は極秘にされている真実を定義した。勿論、私がメーソンである事はご存知だ。そうでしょう? 宜しい。 私は君に大きな秘密を明かそう。彼等はこの秘密を高級階級のメーソンに明かす約束をしながら、25階級でも、33階級でも、93階級でも、又その他の儀典上の高級階級のメーソンにも明かしていないのだ。従って私がこの秘密を知っているのは、メーソンとしてではなく、《彼等》の中の一人として、知っている事は明らかだ。

Gーその秘密とは何なのか?

Rーメーソン組織は皆、共産主義革命の勝利の爲のあらゆる必須条件を手に入れ、これを創造しようと勤めている。これは明白なメーソン組織の目的であり、全てこれは色々な口実の下に行われているが、彼等は常に彼等の三角形のスローガン(註=自由・平等・友愛)の後ろに隠れている。わかるかネ? しかし共産主義革命が、階級としての全ブルジョアの抹殺、全てのブルジョア的政治指導者の肉体的抹殺を義務と考えている以上、メーソンの秘密は、メーソン組織の自殺、有力メーソンの肉体的自殺だと云う事になる。メーソンに用意されているこのような結末は、この秘密を一層深く隠す為に、他の装飾的秘密で包込んで、極秘にしておかなければならない。この事は、勿論、君には分るだろう。若し君が別の革命に遭遇した時、メーソンが革命家の手で死ななければならぬ事が分った時、メーソンの顔に現れる驚愕と狼狽に注意を向けるチャンスを見逃さないで欲しい。革命の為にメーソンの犠牲が評価を受けるよう等、どうして予期できよう? そんな光景を見ると、おかしく死ぬそうだ(日本共産党又はマルクス主義信者又はそれを許す人達(リベラリズム)は、此の人を死んでいるのをおかしく考える事が出来る狂った精神の持主の思想[マルクス共産主義]を共鳴している。教育勅語を否定する思想の持主は悪魔に魂を売った人達である!忍)。

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